ズキンガラスと妻/アンドルー・ラング世界童話集12 ふじいろの童話集/東京創元社/2009年初版
あまり詳しい説明がないが、出典は、西ハイランドの昔話という。あまりなじみがないが、多分アメリカの話。
三人姉妹がズキンガラスから求婚され、末の娘がズキンガラスと結婚することに。
このズキンガラス、人間にもなれるが、この話にはどうしてカラスになっているかについては、ふれられていない。
やがて三人の子どもができるが、どの子も妻が目をさますといなくなる。
だれが子どもをつれていったのかにもふれられていない。
子どもがいなくなるのが続いたので、夫は遠くにある家に引っ越しをしようとしたが、妻が「目のあらい櫛」を忘れたので家にとりにいくと、いつの間にか夫がいなくなってしまう。
ここから妻が夫を尋ねる旅が続く。
話の途中にでてくるものは、伏線として存在し、どこかで出番があるのが昔話のパターンであるが、この話では、なぜという問いに答えないで結末になるというあまり見られない構成である。
ズキンガラスというのは聞きなれないが、日本でもよくみられるハシボソガラスと同じくらいの大きさで,頭・顔・胸・翼・尾羽は黒いけれど,背中・翼の上部・腹は白味の強い灰白色という。