どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

がにまたビル、ポールバニヤン・・アメリカ

2014年11月29日 | 昔話(北アメリカ)

   がにまたビル、ポールバニヤン/世界のむかし話9 北米 北の巨人/田中信彦・訳/ほるぷ出版/1979年初版   

 昔話には大なり少なり、”ほら”がふくまれているが、この二つの話のスケールも大きい。

 がにまたビルはカウボーイ。
 巨大なマグロ(二頭のクジラを飲み込むことができる大きさ)を二日二晩のりまわしたり、嵐で海に落ちた牛を、木の馬にのりながらおいたてる。

 ポール・ヤニオンは木こり。
 バニヨンが、アブにさされて、あまりの痛さに、すきをひきづったまま、一目散に走ると、幅が6キロ、長さが320キロにもわたってひろがり、これがグランドキャニオンになったというもの。
 ヤニオンが植えたトウモロコシとカボチャ。
 カボチャはどんどんのびて、実を何千、何万もつけ、カボチャとトウモロコシがあまりにも、地面の水をすいあげるので、五大湖の水がへりはじめる。

 他にも、地球をひとまわりぐらいの投げ縄をつくるベイカル・ビル。この男が結婚した娘が、白毛の野生馬にまたがると、この馬が娘を月まで飛ばしてしまう話など、

 西部のとてつもない男たちの壮大なほら話で、話す方も楽しんでいるかのようだ。