![]() |
よかったね かかしくん/マリー・ジョゼ・サクレ 作・絵 保富 康午 文/学習研究社/2003年初版
今は案山子もあまり見られなくなったように思いますが・・・。
晴れの日も、雨の日も風の日も一年中たちどうしのイメージがある案山子にも、ひそかな楽しみと夢が。
雨の日は大きな帽子や袖の下に鳥たちをいれてあげて、お百姓さんの暮らしをいろいろ話してあげたり、本当は、花畑にたちたいという夢を語ります。
秋の取入れがおわると、他の案山子は家にはこばれますが、古くから働き続けた案山子は、ぼろぼろになって畑に置き去りにされてしまいます。
でも、冬の寒い日に、優しい男の子につれられていった案山子くん。
そこでお父さんからこわれた骨組みをなおされ、おとうさんの若いころの上着をきせられ、お花畑に立つことに。
つれられていった男の子の物置小屋で、うさぎやねずみと話し合ったり、おかあさんが、リニュアルされた案山子をみて「おとうさんも、あんなにやせてかっこよかったころがあったのね」とつぶやく場面にやさしい感じがでています。
ベルギーの作家がつくった絵本ですが、外国にも案山子があるというイメージは、ありませんでした。
素朴な絵がなんともいえない雰囲気を醸し出しています。