バルカンの昔話/八百板洋子編・訳/福音館書店/2007年
お話し会で刺激をうけて、これまでコピーしておいたものをひっくりかえしてみました。
聞いて楽しかったのは、出典がわかっているので、いつでもアクセスができます。しかし、あまり語られていないもので、よさそうなもののコピーがずいぶんたまっているのですが、いつの間にか、お蔵入り状態です。
その中の一つが「兄と弟」です。
昔話に兄と弟、または三人兄弟がでてくると、いずれも対立するものとしてえがかれているのが多いのですが、この話は、兄と弟が対立していても、最後はなかよく力を合わせる話です。
兄が狩りに行くとき、妻に食べ物に毒をいれ、弟を殺すようにいいつけます。もし弟が死んでいなかったら妻の命を奪うというのです。
狩りにいった兄が、ワシをつかまえますが、ワシがいうには「兄弟さえいたら、もし二十羽のタカにねらわれても、いっさい手出しをさせなかっただろうに! 兄弟がいたときは強かった。おれは無敵だった」。
もうすこしワシの話があるのですが、急に弟のことを思い出した兄が、いそいで家にかえります。
弟はどうなっていたでしょうか?。
あまり教訓くささがなく、すこしドキドキしながらのハッピーエンドがなんともいえない昔話です。