日本の民話8 長者への夢/瀬川拓男・松谷みよ子・編/角川書店/1973年初版
昔話が成立したのが、江戸時代の前以前と考えると、産業は農業が中心。
日本の農業では、あまり大規模な農業がなく、自作農であっても規模はそれほどのものでなかったようである。
さらに過酷な年貢もあって、生活はぎりぎりで、自然災害がくわわると、その生活の程度は想像にがたくない。
こうしたなかで、農民が長者になることは夢のまた夢。
昔話のなかに、長者にかかわる話が多くあるのも、かなわぬこととおもいながらも、空想のなかで願望をみたすことにつながっているようでもある。
農業ではないが、炭焼きが夢を信じ、小判を手に入れるのが「味噌買い橋」。
また旅をしていた二人の男の一人が、昼寝をしたとき奇妙な夢をみたと、もうひとりの男に話すと、その男が夢を売ってくれともちかけ、夢に出てきたあたりを掘り返すと金の鉱脈がぶつかる。「夢買い長者」
天から雨のように黄金がふってくる夢をみるのが「天福地福」。
夫婦が山の畑にいって、男のほうが昼寝のとき、うまい酒の飲んでいる夢をみて、その酒のあったあたりにいってみると、泉から酒がわいていて、それを売って大金持ちになる「だんぶり長者」。
だんぶりはトンボのことで、男が夢をみているとき、顔のあたりをトンボが飛び回っているときに、その夢をみるというもの。
信じないことにははじまらない昔話。
余計なものがあまりなく、ストレートに表現されている昔話です。
昔話が成立したのが、江戸時代の前以前と考えると、産業は農業が中心。
日本の農業では、あまり大規模な農業がなく、自作農であっても規模はそれほどのものでなかったようである。
さらに過酷な年貢もあって、生活はぎりぎりで、自然災害がくわわると、その生活の程度は想像にがたくない。
こうしたなかで、農民が長者になることは夢のまた夢。
昔話のなかに、長者にかかわる話が多くあるのも、かなわぬこととおもいながらも、空想のなかで願望をみたすことにつながっているようでもある。
農業ではないが、炭焼きが夢を信じ、小判を手に入れるのが「味噌買い橋」。
また旅をしていた二人の男の一人が、昼寝をしたとき奇妙な夢をみたと、もうひとりの男に話すと、その男が夢を売ってくれともちかけ、夢に出てきたあたりを掘り返すと金の鉱脈がぶつかる。「夢買い長者」
天から雨のように黄金がふってくる夢をみるのが「天福地福」。
夫婦が山の畑にいって、男のほうが昼寝のとき、うまい酒の飲んでいる夢をみて、その酒のあったあたりにいってみると、泉から酒がわいていて、それを売って大金持ちになる「だんぶり長者」。
だんぶりはトンボのことで、男が夢をみているとき、顔のあたりをトンボが飛び回っているときに、その夢をみるというもの。
信じないことにははじまらない昔話。
余計なものがあまりなく、ストレートに表現されている昔話です。