どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

千千三本・・大阪

2016年11月07日 | 昔話(関西)

     子どもに贈る昔ばなし6/再話・和歌山昔ばなし大学再話コース 監修・小澤俊夫 /小澤俊昔ばなし研究所/2006年)


 三人兄弟の末っ子が、三文のお金をもって、世の中にでていき、途中、子どもにいじめられていたせみとさるを助け、さらに泊めてもらった家の蚊に、血を吸わせます。

 弟は町に出て、ある家で働くことに。

 一生懸命働いた若者が気にいっただんなさんは、娘の婿にしたらええなと、ふさわしいかためしてみることにします。

 「わしがたばこ三ふくすう間に、うらの柿の木が何本あるか数えてこい」
 「わしがたばこ三ふくすう間に、うらの柿を全部ちぎってこい」

 せみが、柿の木の本数を、さるが柿を全部ちぎって弟を助けます。

 外国の昔話にはよくあるパターンです。前段で助けたものから、助けられるのですが、日本の昔話では、浦島太郎のように、助けるものが一つというのはあるのですが、三つというのは意外と少ないようです。

 蚊の出番は、三人の娘から、だんなさんの娘を当てるというもの。

 柿とせみという組み合わせは、季節がマッチしませんし、蚊ではなく、ほかのものがふさわしいようです。