子どもに贈る昔ばなし6/再話・和歌山昔ばなし大学再話コース 監修・小澤俊夫 /小澤俊昔ばなし研究所/2006年)
三人兄弟の末っ子が、三文のお金をもって、世の中にでていき、途中、子どもにいじめられていたせみとさるを助け、さらに泊めてもらった家の蚊に、血を吸わせます。
弟は町に出て、ある家で働くことに。
一生懸命働いた若者が気にいっただんなさんは、娘の婿にしたらええなと、ふさわしいかためしてみることにします。
「わしがたばこ三ふくすう間に、うらの柿の木が何本あるか数えてこい」
「わしがたばこ三ふくすう間に、うらの柿を全部ちぎってこい」
せみが、柿の木の本数を、さるが柿を全部ちぎって弟を助けます。
外国の昔話にはよくあるパターンです。前段で助けたものから、助けられるのですが、日本の昔話では、浦島太郎のように、助けるものが一つというのはあるのですが、三つというのは意外と少ないようです。
蚊の出番は、三人の娘から、だんなさんの娘を当てるというもの。
柿とせみという組み合わせは、季節がマッチしませんし、蚊ではなく、ほかのものがふさわしいようです。