どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

こびとのくつ屋・・グリム、かじ屋としわくちゃこびと・・オランダ

2016年11月21日 | 昔話(外国)
 どちらもこびとがでてきます。  

 こびとのくつ屋(グリム童話集 下/佐々木田鶴子・訳/岩波少年文庫/2007年)では、貧乏なくつ屋が最後にのこった革を準備しておくと、次の朝にはくつができあがっています。
 そのくつが高くうれたので、今度は二足分の革を用意すると、次の朝にはくつができあがっています。
 高く熟れたので、今度は四足分の革を用意しておくと、次の朝にはやはりくつができあがっています。

 不思議に思ったくつ屋の夫婦がかくれてみていると、はだかのこびと二人が、くつをつくっているのでした。
 こびとがはだかでいるので、奥さんがお礼にシャツとズボン、くつ屋は、ふたりのくつを用意しておくと・・・。

 グリム版では、なぜこびとがくつをつくってくれるのかわかりません。

 オランダの「かじ屋としわくちゃこびと」(世界の民話26 オランダ・ベルギー/小澤俊夫・編訳/ぎょうせい/1986年)は、くつ屋とかじ屋という違いはありますが、こびとがしらないうちに、仕事をしてくれるという点では、同じです。

 オランダ版では、お祭りでぼうしを岩の割れ目に挟めてしまったこびとのぼうしを拾い上げたお返しに、仕事をしてくれます。
 オランダ版でも、かじ屋が、お礼に、シャツ、ズボン、くつを用意しておきます。

 にかよった話ですが、オランダ版では、ダイヤモンドをあげるといわれて断ったり、
いいなずけのむすめと結婚するところもでてきます。

 グリム版は、やや小さい子向けで、オランダ版は、もうすこし上の子向けでしょうか。

 しかし、なぜ、しわくちゃこびとなのかもわかりませんでした。