どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

猫と小僧様

2016年11月17日 | 昔話(日本)

     猫と小僧様/かたれやまんば第三集 藤田浩子の語り/藤田浩子の語りを聞く会・編/1998年


 お寺の小僧さん、仏の道を学ことより、絵がだいすきで、いつも猫の絵をかいていたので、寺を追い出され、泊ったのが古いお寺。

 ところがこのお寺、化け物がでるという。外で寝るよりは屋根の下のほうがよかんべと、この寺にとまることに。

 翌朝、村の人が心配してきてみると、そこらじゅうに猫の絵が。天井をみてみると大きなねずみが嚙み殺されていました。
 村の人は、猫がねずみを退治してくれたに違いないと話し合います。

 あまり長くない話で、別のタイトルで同じ話があります。

 藤田浩子さんにかかると、これがなんとも面白い話になります。

 小僧さんが猫の絵をかくところ。
   庭掃かせれば、竹ぼうき持ったまま、そこらの木っ端で絵をかく
   塀に寝そべって、しっぽ だらーんと下げたまんまの猫
   蝶とろうとして、じゃれている猫
 ほかでは、こんな描写はでてきません。

 いつもながら擬音語も効果的に使われています。

 天井で音がする場面
   カタン カタン カタン
 枕元の写経が音する場面
   サワサワサワサワー

 読むだけでイメージが湧いてきます。

 小僧さん、猫の成仏ねがい、仏の道を究めるため、せっせせっせとお経を読む最後もほっとします。