猫と小僧様/かたれやまんば第三集 藤田浩子の語り/藤田浩子の語りを聞く会・編/1998年
お寺の小僧さん、仏の道を学ことより、絵がだいすきで、いつも猫の絵をかいていたので、寺を追い出され、泊ったのが古いお寺。
ところがこのお寺、化け物がでるという。外で寝るよりは屋根の下のほうがよかんべと、この寺にとまることに。
翌朝、村の人が心配してきてみると、そこらじゅうに猫の絵が。天井をみてみると大きなねずみが嚙み殺されていました。
村の人は、猫がねずみを退治してくれたに違いないと話し合います。
あまり長くない話で、別のタイトルで同じ話があります。
藤田浩子さんにかかると、これがなんとも面白い話になります。
小僧さんが猫の絵をかくところ。
庭掃かせれば、竹ぼうき持ったまま、そこらの木っ端で絵をかく
塀に寝そべって、しっぽ だらーんと下げたまんまの猫
蝶とろうとして、じゃれている猫
ほかでは、こんな描写はでてきません。
いつもながら擬音語も効果的に使われています。
天井で音がする場面
カタン カタン カタン
枕元の写経が音する場面
サワサワサワサワー
読むだけでイメージが湧いてきます。
小僧さん、猫の成仏ねがい、仏の道を究めるため、せっせせっせとお経を読む最後もほっとします。