沖縄昔ばなしの世界/石川きよ子・編/沖縄文化社/1991年
天からおりてきた龍が昼寝をしていると、一匹のむかでが、すずしそうな穴があるぞと龍の耳に入っていきます。
目をさました龍が、「おんやあ、なんじゃ・・・」と頭をゆすったり、耳をばんばんたたいたりはじめます。
驚いたのがむかで。龍の耳で暴れはじめると、今度は龍がもがきはじめます。
龍は人に化けて名高い医者のところへ、駆け込むと、耳のあたりを調べていた医者は、相手が人でないことにきづき、本当の姿になるようさとします。
龍は本当の姿になって医者にみてもらいます。
医者は龍の耳にむかでをみつけ・・・・。
このお医者、なかなか名医です。なんとにわとりを抱えてきて、耳のなかににわとりをはなします。にわとりはむかでをひょいとくわえてきて、あっという間に飲み込んでしまいます。
大変喜んだ龍は、金色に輝く龍糞を医者におくります。この龍糞は、この世にまたとない薬で、どんな病にもきく薬。医者はますます名医になります。
医者は原因をつきとめ、有効な治療をほどこしますが、治療にもいろいろあります。
昔話にあまりみられないようなタイプです。