きんいろのしか/ジャラール・アーメイド・案 石井 桃子・再話 秋野 不矩・画/福音館書店/1968年
南の国の王さまは金が大好き。玉座はもちろん、机や寝台まで金でできていました。そして他のものにはひとかけらの金も使ってはならないというおふれまでだしていました。
そんな王さまが狩りに出かけたときみたのが、金色に輝く鹿。鹿が踊ると、その足あとは、金の砂に変わって、あたりに飛び散ります。
王さまが鹿を生け捕りにするように命令すると、鹿は森の奥に消えます。
鹿は、ホセンという男の子が牛をつれている前をとおりかかります。
王さまの家来がホセンに金色の鹿がどちらにいったかたずねると、ホセンは鹿の行方を話さないと約束していたので、「あまりまぶしくて どっちにいったか わかりません」と答えます。
脅してもダメなら今度は懐柔策です。
家来は王さまのところにいこうとホセンにいいます。ところが王さまのところにいくと、三日のうちに鹿をつかまえてこないと、命がないとさけびます。
ホセンは鹿を探す旅にでます。
子どものトラをすくい、ゾウの鼻の矢をぬいてあげ、やっと鹿を見つけますが・・・・。
王さまのところにいった鹿がひづめから金の砂をどんどん出し、王さままで金の砂のなかに埋もれてしまいます。
ホセンを助ける動物との交流も、この話に深みを感じさせてくれます。
金はむかしから欲望の象徴でしょうか。
バングラデッシュの昔話ですが、バングラデシュは1971年パキスタンから独立。意外と最近です。
都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い国で、人口数は世界第7位といいます。