どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

「薬のききめ」ほか

2017年12月21日 | 星 新一

       きまぐれロボット/星新一・作 和田誠・絵/理論社/1999年


薬のききめ
 忘れてしまったことを思い出す画期的な薬を発明した男。資金援助をアール氏に申し込みます。

 一錠飲めば昨日のこと、二錠飲めば二日前、三錠飲めば三日前のことを思い出します。

 害はないか、果たして効果があるのかとアール氏は、10歳ころの記憶を呼び戻しますが、資金援助はことわります。
 というのは、アール氏は子どもの頃いじめられた経験があり、薬を発明した男が、いじめっ子だったのを思い出したのでした。

 ちょとした前の記憶がでてこなく、人の名前もすぐにでてこない状態なので、こんな薬があったら便利ですが、具合の悪いこともおおありです。

スピード時代
 成長を早める粉を作り出した男。アール氏のところにやってきて、スイカ、イチゴ、トマトの種を植えると、すぐに芽を出し、3時間もしないうちに、花が咲き実がなりはじめます。

 アール氏は、その製法をつくった書類を買い取り、一儲けをもくろみますが、さっきあれほど食べたのに、すぐにおなかがすいてきます。

 成長が早いぶん、お腹に入ってからも、スピードはおとろえなかったのです。

 今の世は、ものすごいスピードで変化していますが、行きつく先はどうでしょうか。悪い結果にならないことを祈るだけです。