よじはん よじはん/ユン ソクチュン・ぶん イ ヨンギョン・え かみや にじ・やく/福音館書店/2007年
まだ普通の家には時計というものがなかったころの韓国のお話。
小さな小さな女の子が、となりの店で時間をきいてくるようにおかあさんから頼まれて、「よじはん」といわれ、女の子は「よじはん よじはん」と繰り返しながらかえりはじめますが、とちゅうには目をひくことばかり。
にわとりが水をのんでおるところみて、アリの散歩をみて、トンボを見て、おしろいばなが咲いているところで座り込み、いえにかえりつくころには、ひがとっぷりくれ・・・。
それでも女の子は「かあさん いま よじはん だって」とつたえます。
小さい子にとって、時間はゆっくりと流れています。
日本でも少し前には見られた穏やかな田園風景がひろがっています。
学生服?をきたカップルを、自転車にのった二人ずれがニコニコしながら振り返っていたり、女の子をふむめ、五人兄弟の様子が、さりげなくえがかれています。