きょうはすてきなドーナツようび/竹下文子・文 山田詩子・絵/アリス館/2012年
目立たないけど、一度食べた人は必ずまた買いにくるほど美味しいという、まちの小さなドーナツ屋さん。おじさんひとりで切り盛りし、たくさんの木と花にかこまれたお店です。
ならんでいるのは、おさとうドーナツ、チョコドーナツ、クリームドーナツ、ごまドーナツ、キャラメル ナッツにストロベリーと、どれもこれもおいしそう。
ある日、ドーナツ屋のおじさんが 重たい小麦の缶を、うっかり 足のうえに おとし大きな怪我をしてお店は休業に。
「ドーナツはできたてが一番おいしいのに」と、ドーナツたちは自ら売り込みに出かけます。
メガネ屋さんに、公園の花壇に、電車のつり革に、道路の信号に、ピエロの曲芸とびいり。まちのあちこちに、美味しそうなドーナツが神出鬼没にあらわれます。
さいごは パレードの楽隊と一緒に、ドーナツ屋さんまで、行進していきます。
病院からもどってきたドーナツ屋のおじさんは、おおぜいの人が つめかけているのをみて、びっくり。
店員さんも七人になって、まいにちにぎやかなドーナツ屋さんです。
絵はカレルチャペック紅茶店代表の山田さん。最近、チェコのカレル・チャペックの短編を読んだばかりで、紅茶店の名前は、この人に由来しているのでしょうか。
ドーナツが大好きな人たちの笑顔がいっぱいです。
かわいいネズミや、ぼうしをかぶるドーナツ、気球にのるドーナツ、リスにも注目です。