そばがらじさまとまめじさま/小林輝子・再話 赤羽末吉・画/福音館書店/2008年
題名からは結びつきませんでしたが、イヌ、臼、灰と花咲爺さんのパターンで、灰をまいて、雁をとります。
作者は岩手在住の方で、土地言葉がうまくいかされていますが、その分、とっつきにくいかもしれません。
いぬっこが、おおきくなるところは
いっぱい くわせれば いっぱいだけ
にはい くわせれば にはいだけ
さんばい くわせれば さんばいだけ
まめじさまが 山にかりにいくところで、いぬが ほえるところでは
あっちの がけから ぼっかぼか こっちの がけから ぼっかぼっか あおじし ではれ
すぐに昔話の世界に入っていけます。いつもながら赤羽さんの絵もぴったり。
そばがら、まめ、ししじる、しろいおこめ、がんじると、食べ物にちなんだものがでてきますが、十分な食料を手に入れることが困難だった背景を象徴しているようです。