ガラスめだまときんのつののヤギ/田中かな子・訳 スズキコージ・画/福音館書店/1988年
おばあさんが一生懸命育てている麦畑。ところがヤギが 麦畑のなかで「むぎを くってはふんづけ くってはふんづけ」。
おばあさんが「でていけったら、でていけっ!むぎばたけから、でていけっ!」と叫びますが、「おいらにゃ、ガラスめだまと、きんのつのがある。 ひとつきすれば、いちころさ!」と逆に脅かされてしまいます。
悲しんでいるおばあさんをみて、クマ、オオカミ、キツネ、ウサギが追い出してやるからと勇ましく出かけていきますが、「なまいきいうない、おいらにゃ、ガラスめだまと、きんのつのがある。ひとつきすれば、いちころさ!」と一喝されて逃げ出してしまいます。
捨てる神あれば拾う神あり、おばあさんを助けてくれたのは?
一面黄色になった麦畑をまえに、おばあさんはワインを片手にニコニコ顔。おばあさんがもっている鋭いカマは国旗からもってきたのでしょう。
裏表紙のヤギは、赤い鼻をして、涙がポトリ。反省したのかな。
スズキコージさんの画も、細かく見ていくと、遊び心がいっぱい。
木(白樺?)の葉、雲の英字のほか、ところどころにコラージュ? おばあさんのスカートにはどうやら星が。
ところで白ロシアですが、1991年8月にソ連から独立したベラルーシ共和国。
じつは知らなかったのですが、ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)は、ロシア社会主義連邦ソビエト共和国、ウクライナ社会主義ソビエト共和国および、ザカフカース社会主義連邦ソビエト共和国と、この白ロシア・ソビエト社会主義共和国が構成共和国であるということ。四つの国で構成されていたんですね。またひとつ勉強になりました。