どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

5ひきのすてきなねずみ ”おんがくかいのよる” ”ひっこしだいさくせん”

2020年01月14日 | 絵本(日本)
5ひきのすてきなねずみ おんがくかいのよる  

   5ひきのすてきなねずみ おんがくかいのよる/たしろ ちさと・さく/ほるぷ出版/2007年初版

 題名が素敵な絵本。

 満月の夜、どこからか聞こえてきた音楽にひかれて、5匹のネズミは音のするほうへあるきはじめます。
 公園まで来ると音はだんだん大きくなり、そこには「かえるのおんがくかい かえるでないものおことわり」の看板が。でも5匹がそーっとのぞいてみると、月明かりのしたで、たくさんのカエルたちが歌っています。うつくしいメロデイーを夢中で聞き入っていると、ここはカエルだけのきまりですと追い出されてしまいます。

 すばらしい音楽会のことが忘れられないネズミたちは、ちゅうちゅうというばかりでカエルのように歌えないので、楽器をつくってネズミの音楽会をすることにします。

 あちらこちらから集めた材料で楽器をつくったネズミたち。準備ができると音楽会のお知らせをあちこちの壁に張り出します。ネズミの集会所で開かれた音楽会は満員の盛況。そこにはカエルたちもきています。カエルの音楽会から追い出されたネズミたちでしたが、こころよくカエルを歓迎し、カエルたちが歌っていた歌をうたいはじめると、カエルもネズミも一緒になって歌いだします。

 すばらしい音楽会。ネズミとカエルは、また音楽会をする約束をします。次の満月の夜は、みんなの音楽会になります。
 
 ネズミの集会所が舞台になっていて、そこにはぎっしりのネズミが描かれています。マッチ箱でつくったバイオリン、短い鉛筆で作った木琴、空き缶を利用したドラムなどが楽しい。
 ネズミたちが音楽の聞こえるほうに歩いていく場面は、石畳の道で、両側にはレンガ造りの家?があるので、場所はどこか外国のよう。

 5ひきのネズミにぐれ、くろ、しろこ、ちゃたろう、ちびすけと楽しい名前がつけられ、名前の通りネズミが描き分けられていますが、それがあまり活かされていないのが残念。

 

   5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん/たしろ ちさと・さく/ほるぷ出版/2010年初版

 ”おんがくかい”は、2007年、”ひっこしだいさくせん”は三年後の2010年には発行されています。 

 お隣さんがおおきなネコを二匹も飼いはじめたことから、落ち着いて住める場所を探しに出た5匹のネズミたち。大通りのすみは、雨が降るとびしょびしょ。下水道の巣穴は満員。

 あちこちさがして、とうとうやってきたのはおおきな山の前のゴミ置き場。いらなくなったものを利用して、自分たちの家をつくることにします。

 板を切ってまずは床。赤い椅子は屋根。植木鉢に雨水をため、パイプをつなげるとお風呂の出来上がり。古時計は食品貯蔵庫に。自転車のタイヤは風の力でまわる観覧車。

 5匹がみちたりた気持ちでねどこにもぐりこむと、突然ニャアオオオオ!と ネコの声。

 せっかくできた家からも引っ越しか?と思わせておいて・・・・。

 手作り感いっぱいのおうち。

 ベッドはくつ テーブルは本 おまけに鉄道の線路まであり、夢がひろがっていきます。