ひとりぼっちのモンスター/アンナ・ケンプ・作 サラ・オギルヴィー・絵 たなか あきこ・訳/フレーベル館/2019年
むかしむかし、ひとりぼっちのモンスター、デイブじいさんがエコーロックというさびしい場所にくらしていた。
わかいころ、デイブは、じつにめいわくなやつだった。ふざけたり うるさいわで町中 もうめちゃくちゃ。町の人に追い出されエコーロックへ。
それから60年エコーロックで暮らすデイブじいさんの相棒はギターだけ。
ある日。パーシバルがやってきて、デイブじいさんに、腐ったキャベツやカブ、ナスを投げつけた。パーシバルは勇者と名乗るが六歳。
デイブじいさんが「いきなり 野菜を ぶつけるのは いかんなあ。しらんのかね? ちゃんとした騎士は いつだって やさしくて 行儀がいいもんだ。恐ろし気なモンスターだって、いやなことをされたら 悲しいんだぞ」というと、そんなことを考えてみてもみなかったパーシバルは、真っ赤になって謝ります。
それからパーシバルが、野菜を ぶつけないと騎士らしく誓うと、それからは大の仲良しに。
ところが長く平和が続いて退屈しきった町の人たちが、モンスターを やっつけて 元気を出そうと、腐った果物と野菜をもって、エコーロックへ。
しかし「嫌なことをされたら 誰だってかなしんだよ」というパーシバルの言葉に、町の人たちが しゅんとなって・・・。
ちびっこ騎士のいうことは、もっとも。あれこれ屁理屈をつけたがる大人には、耳の痛い話。見た目だけで判断しないことも重要。
賑やかなモンスターパーテイのなかで、みんなノリノリです。