どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ひとりぼっちのモンスター

2021年07月08日 | 絵本(外国)

    ひとりぼっちのモンスター/アンナ・ケンプ・作 サラ・オギルヴィー・絵 たなか あきこ・訳/フレーベル館/2019年

 

 むかしむかし、ひとりぼっちのモンスター、デイブじいさんがエコーロックというさびしい場所にくらしていた。

 わかいころ、デイブは、じつにめいわくなやつだった。ふざけたり うるさいわで町中 もうめちゃくちゃ。町の人に追い出されエコーロックへ。

 それから60年エコーロックで暮らすデイブじいさんの相棒はギターだけ。

 ある日。パーシバルがやってきて、デイブじいさんに、腐ったキャベツやカブ、ナスを投げつけた。パーシバルは勇者と名乗るが六歳。

 デイブじいさんが「いきなり 野菜を ぶつけるのは いかんなあ。しらんのかね? ちゃんとした騎士は いつだって やさしくて 行儀がいいもんだ。恐ろし気なモンスターだって、いやなことをされたら 悲しいんだぞ」というと、そんなことを考えてみてもみなかったパーシバルは、真っ赤になって謝ります。

 それからパーシバルが、野菜を ぶつけないと騎士らしく誓うと、それからは大の仲良しに。

 ところが長く平和が続いて退屈しきった町の人たちが、モンスターを やっつけて 元気を出そうと、腐った果物と野菜をもって、エコーロックへ。

 しかし「嫌なことをされたら 誰だってかなしんだよ」というパーシバルの言葉に、町の人たちが しゅんとなって・・・。

 

 ちびっこ騎士のいうことは、もっとも。あれこれ屁理屈をつけたがる大人には、耳の痛い話。見た目だけで判断しないことも重要。

 賑やかなモンスターパーテイのなかで、みんなノリノリです。