おそろしいタイトルですが、実は笑い話。タイトルでみんなをびっくりさせておいて、なかみの落差でひきつける話。 落語にもなっているというのですが・・・・。
・みなごろし、半殺し(日本の昔話4 さるかにかっせん/おざわとしお・再話 赤羽末吉・画/福音館書店/1995年初版)
一人の旅人が、一晩の宿を頼んだ家。
真夜中になって旅人がふと目をさますと、となりの部屋の話声がきこえてきます。
「あしたの朝は、みなごろしにしようか、半ごろしにしようか」
「みなごろしはめんどうだから、半ごろしにしたらどうか」
旅人はびっくりして、一目散に逃げ出し、一軒の家に飛び込むとわけをはなす。
ところがその家のおばあさんは大笑いして
「そこの家の人はおまえさんに、うんとごちそうする気でいたんだよ。「みなごろし」というのは、もち米をすっかりついて、もちにしてから おはぎをつくることだし、「半ごろし」というのは、もち米を半分つぶしておはぎをつくることなのさ」
・ぶったたきと半ごろし(茨城のむかし話/茨城民俗学会/日本標準/1975年)
旅人がお風呂に入っているとき、茶屋のとしより夫婦の会話が聞こえてきます。
「今夜はひとつ ぶったたきにすべえか」じいさんがいうと、「なあに それより、半ごろしのほうがよかっぺ」とばあさん。驚き逃げ出そうとする旅人に「ぶったたきちゅうのは、うどんのこと。半ごろしちゅうのは、うどんのこと」と、じいさん、ばあさん。
・本殺し生殺し(岐阜のむかし話/岐阜児童文学研究会編/日本標準/1978年)
本殺し うすでひいた粉をぬくい湯をかけてねって、それからなべでにただんご。
生殺し 湯でねっただけのだんご。
・手打ち半殺し(栗山の昔話/柏村祐司・編著/随想舎2009年)
・「半ごろしの御馳走」は、山形の昔話。
長野県では、「はんごろし」は、おはぎ、「みなごろし」は、お餅。
群馬県では、「はんごろし」は、ぼたもち。
栃木県では、「はんごろし」は、ぼたもち、手打ちはお蕎麦。
鳥取県では、「はんごろし」は、ぼたもち、「みなごろし」は、餅。(鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年)