どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

各地の巨人伝説

2021年07月17日 | 昔話(日本)

 各地にみられる巨人伝説。巨人伝説には、その地方の人にはなじみの山や川がでてきます。          

・ダイダラ坊(茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年)

 大きさを表すのもいろいろですが、声をかけてもなかなか声が届かないダイダラ坊というのは、どのぐらいのおおきさでしょうか。

 南に高い山があって、日があまり当たらず作物も十分にとれなかった貧しい村のために、ダイダラ坊は、汗だくになって山を北の方に移してしまいます。(この山が朝房山)

 ところが山を動かすとき、ダイダラ坊が指で土を掘ったので、そのあとさ水たまりができて、雨が少しでも多く降るたんたびに、その水があふれて大騒ぎ。そこでダイダラ坊は水が流れるように川をつくり、その下の方に湖を一つつくりました。(この湖が千波湖)

 また村人が、洪水を防ぐため堤をつくっていると、ダイダラ坊は土運びを手伝い、堤づくりは うんと早く終わってしまいます。この仕事の時、かごから少し土がおっこちて、それが峰山になったという。

 もうひとつ、ダイダラ坊は、貝を食べるのがとても好きで、食べた貝殻をすてたところが大洗町という。

・デーランボー(長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年)

 浅間山と碓井峠の山のおくに住んでいるデーランボー。碓井峠に腰をかけると、足は妙義の谷間。

・大力男(山梨のむかし話/山梨国語教育研究会/日本標準/1975年)

 八ヶ岳のふもとに、えれえ力持ちの男が住んでいただと。村中の人がみんなでとっかかっても建てられない氏神様の石の鳥居を一晩で建てたという。たばこをすっているとき、追剥にあい、立ち上がると、その追剥は、隣村の釜無川の河原まで吹っ飛んでしまいます。


ぼくのおじさん

2021年07月17日 | 絵本(外国)

      ぼくのおじさん/アーノルド・ノーベル・作 三木卓・訳/文化出版局/1982年

 

 お父さんとお母さんが船に乗って旅にでます。しかし、子ゾウは風邪をひいて留守番。

 ところが、船は嵐に会って母さんも父さんもかえってきません。部屋で、ひとりしょんぼりしていると、おじさんゾウがあらわれ、ふたりでおじさんのところへ。

 空の星よりもたくさんのしわ。せなかも、ひざも、あしもぎしぎしのおじさん。

 子ゾウの気持ちをなぐさめるようかのように、電車の窓から見える家、畑、電柱、ピーナッツを数え、話ができるランプにすみついたクモの願いを聞いて真っ暗な中で食事をします。さらに小ゾウにお話してあげたり、歌を作ってあげたり。

 おじさんのリビングルームに飾ってあった絵をみて、母さん、父さんを思い出した子ゾウに 家じゅうのもの全部を重ね着すると、子ゾウは 大笑いして かなしいことなんかわすれてしまいます。

 そんな時、ふたりのところへ、電報がとどきました。母さん父さんからの電報。

 子ゾウとおじさんの距離がもっともちかずいたとき別れのときがきます。

 最後にときどきあおうと約束して去っていくおじさん。子ゾウを慰めようとやってきたおじさんは、ひとりぼっちですから、こんどは子ゾウが孤独を癒してくれるのでしょう。