兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟/日本標準/1978年
じじさま、ばばさまたちは、わらじを作って暮らしをしていましたが、元日をひかえて、神様にそなえるお米もありません。お米を貸してもらおうと、上の長者のところにいくと「うまごやのくそでももっていけ」といわれ、下の長者のところにいくと「牛小屋の、くそでも、もっていけ」といわれ相手にしてくれません。しかたなく菜っ葉づけを、神様にそなえます。
その夜遅く、トントンとをたたく旅の坊さまがありました。じじさま、ばばさまが旅の坊さんをとめると、あくる朝坊さんは、帰りぎわに じいさまたちの家の庭の古がめに、何か一心に祈りごとをしていました。
あとになって、じじさまたちが古がめをのぞくと、そこにはおいしそうな味噌がつまっていました。その味噌は、とってもとってもなくならりません。おかげで、じじさまとばばさまは。この味噌を売って、大金持ちに。
大みそかから元日にかけての昔話には、これと にた話がおおいのですが、味噌というのは、これまであまりありませんでした。