なぜ イヌの鼻は ぬれているの?/文・ケネス・スティーブン 絵・オイヴィン・トールシューテル 訳・ひだに れいこ/西村書店/2014年
サブタイトルに「ノアの箱舟のふしぎな話」とあります。
まず目につくのは表紙の可愛らしいイヌです。
雨がふりつづき、いつまでもやみそうにないので、ノアという名のかしこい男は、大きな木を切って、箱舟を作りました。ここまではいいのですが、箱舟をつくるところには、ラジオ、チエンソー、ノコギリまで。世界がはじまって間もない あるときと はじまりながらです。
あらゆる種類の生きものが乗り込み、最後に 一ぴきのイヌが。
雨はさらにはげしくなり、大海原のまんなかで、木の実ほどの穴があいて、すでに舟のなかは水びたし。ひらめいたノアは、「おまえの力を かしておくれ」と、イヌの鼻で穴をふさぎます。
穴をふさぐことが自分の役目とわかっていたイヌは、波のいきおいにまけないよう、ふんばり、舟には一滴たりとも水を入れませんでした。
ある日、外をのぞくと、きりのむこうにうっすらと青い空が広がって、大きな虹もかかっていました。みんなが地上に出るまで、穴をふさぎつづけたイヌを助けたのは、ノアでした。
イヌの鼻がいつもぬれているのには、こういうわけが・・・。
舟のなかの動物たちの楽しそうなこといったら。個室、ベッド、電気スタンド、カジノもあり、飲み物もたっぷり。
漫画風の動物たちを いっぴき いっぴき見ていくだけでも楽しめます。