わにの なみだは うそなき なみだ/アンドレ・フランソワ・作 ふしみ みさお・訳/ロクリン社/2020年
どうやら うそなきの ぼうやに だまされないぞと、お父さん。そういえばヨーロッパでは、うそなきのことを 「わにの なみだ」って いうんだよ。どうしてだか しっているかい? と、まずは、わにをつかまえに 細長い木の箱をもって、船で エジプトへ。
もうこのあたりから あやしい。だまされないぞと、覚悟を決めて つぎのページへ。
ピラミッドのてっぺんから わにをさがし、ちょうど 木箱ぴったりのわにと 海をわたると郵便屋さんに 家まで 届けてもらい それからは 家族の一員としてくらす。
おひるごはんもいっしょ、はみがきして、ぬるめのお風呂に入り、散歩も 学校にも いっしょ。おまけに話し上手。
ところが、うっかりして しっぽを ふもうものなら、すかさず ガブリッ!
そして、すぐに なみだを ぽろぽろ こぼして、反省したふり。
だから うそなきのことを、「わにの なみだ」って、いうんだよ!
原著は1956年、横に細長い絵本。表紙から裏表紙まで、それでも足りなくてカバーのところまではみ出したわに。色の塗り残し?が 微妙なアクセントになっています。
「わにの なみだ」というのは、使えそう。こわそうなわにが 涙を流すなんて信じられない ということは やっぱり だましているかな。