ゆきのひのおくりもの/ポール・フランソワ・作 ゲルダ・ミューラー・絵 ふしみ みさを・訳/バロル舎/2003年
ロシアの絵本運動に影響を受けた作者(1898年生まれ)が、中国の民話から再話し、オランダ生まれの人が絵を描き、1959年フランスで出版された絵本。
雪が降りしきるなか、おなかがすいた子ウサギが、雪に埋もれたニンジンを見つけ、一本は 自分で食べ、もう一本は、仔馬くんが、食べるものがなくて困っているに違いないと、仔馬くんのところへいくと留守。子ウサギはそっとニンジンをおいて かえります。
仔馬くんが 森の中で かぶを見つけ、それを食べてから 家に帰ってみると おいしそうなニンジン。足跡から子ウサギさんからのおくりものとわかりますが、羊さんが、こまっているにちがいないと、そのニンジンを 羊さんのところへ 届けにいきます。ところが羊さんは留守。仔馬は そっと ニンジンをおいてかえっていきました。
ちりちりまきげの羊は、雪に埋もれたあかキャベツを見つけ、おなかがふくれると家にかえり、そこで見つけたのがニンジン。雪の足跡から仔馬くんからにちがいないと思いますが、小鹿くんが、困っているに違いないと、小鹿くんのところへニンジンをもっていきますが、ここも留守。そのままニンジンをおいてかえります。
小鹿が、モミの目を見つけて、すっかりおなかが ふくれると 家に帰ってみると、そこにはニンジン。玄関に落ちていたまきげで、羊さんの おくりものだとおもった小鹿は、ニンジンを 子ウサギにとどけてあげます。こうさぎは あたたかなねどこで、すやすやとねむっていたので、小鹿は、子ウサギが おきるのをまちました。
子ウサギが目をさますと・・・。
ニンジンが めぐりめぐって もとのところへもどってくる おもいやりが 素敵な話。
雪が降り積もる冬ならではの話です。
60年以上前の絵本ですが、古さを感じさせません。雪の森のようすがあたたかく、防寒着の動物もかわいらしい。