広島のむかし話/広島県小学校図書館協議会編/日本標準/1974年
”うさぎとかめ”のかけくらべなど、知恵で相手をやりこめる話も多いが、意外と日本にはすくなさそう。
広島版は、なまけものの若者とナマコのかけくらべ。
こうした話の定番では、複数が協力して、相手の鼻をあかしますが、おなじような展開。
この話のオチが楽しい。ナマコは若者に、さとします。
「おまえさんは、このようなナマコに負けてどうするのだ。ナマコだって、やろうと思えばなんでもできるのだ。まして、人間ではないか。おおまえさんも人間らしく、なんでもいいからいっしょうけんめい働くのだ。」
なまけものだった若者は心をいれかえて、まじめに働き、やがて三人の子どもの父親になったという。
ところで、ナマコの移動速度ですが、一日180cmとしているものや1200cmとしているものなど幅がありました(条件によってちがいがあるようですが)。