どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

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2025年01月27日 | 創作(外国)

   現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年

 イランの皮肉たっぷりのショート。

 貧しい暮らしをしている老人が、お金持ちから食事にまねかれました。けれども、いつものぼろを身にまとっていたので、だれからも客あつかいしてもらえず、宴会のご馳走も、残り物をすこし食べさせてもらえただけでした。

 一週間後、老人は、またおなじ家にまねかれました。老人はこんどは、手立てを尽くしてようやく借りた、すばらしくりっぱな衣装を身に着けてでかけていきました。

 老人が、その家につくと、うやうやしくでむかえられ、食事のときは、テーブルの上座につくようにすすめられました。

 さて、ごちそうがはこばれてくると、老人は、まずごはんをとって、それを、きている上着の片方のそでぐちからなかへいれました。それからもう片方のそでには、鳥の丸焼きをおしこみました。あっけにとられているほかの客にはかまわず、ふくらんだそでにむかって、こういいました。

 「どうぞ、おすきなだけめしあがってください。きょう、わたしが、こうして丁重なおもてなしをうけているのは、みな、あなたさまゆえのことなんでございますから。」

 

 創作ですから、誰が書いたものかが気になりますが、とくに著者名はふれられていませんでした。

 


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