とっときのとっかえっこ/ぶん・サリー・ウィットマン え・カレン・ガンダーシーマー やく・谷川 俊太郎/童話館出版/1995年
バーソロミューは、毎日赤ちゃんのネリーをカートに乗せて散歩に連れていきました。でも、バーソロミューは、隣に住むおじいさん。
バーソロミューはネリーの気持ちを大事にし、いざというときしか手をかしませんでした。
バーソロミューが歳をとり杖を使うようになっても、二人はゆっくりあるき、階段は手すりをつかんでのぼります。
ネリーはバーソロミューに手をかしてあげたいときもありましたが、いざというときしか手をかしませんでした。
ネリーが小学生になった頃、バーソロミューは階段でころび、救急車で入院。ながいあいだ、かえってきませんでした。ネリーは毎日手紙を書きます。しばらくして退院してきたバーソロミューは車いすでの生活でした。
「これで さんぽ おしまいだな」というバーソロミューに「そんなことはないよ わたしがつれていってあげるもん」というネリー。
そう、今度はネリーが車いすをおして、散歩です。
「でこぼこにきをつけて」「かわいい いぬにあうと あたまをなでてやる」、スクリンプラーがまわっているときは「すすめーーーーーーっ」。
まるで、ネリーが赤ちゃんのころの風景です。
「とっときのとっかえっこ」というのは、これでした。
二人を見つめる近所の優しい目。
散歩、ピクニック、ハローウイン、冬のふたり、どれも楽しそうです。
人は産まれ、成長し、やがて老いていきます。子どもがあれば、またその繰り返し。
隣のおじさん、おばあさんが、子どもを見守るというのも、遠い昔の風景になってしまいました。
バーソロミューとネリーの心温まる関係に、とってもあたたかいものを感じました。
ネリーが、おはなしをせがみ「おはなしが たねぎれに なることはないの?」とたずねると、「もしなっても だまってればいいんだ。なかよしなら そうしていられる」とバーソロミューが、こたえますが、言葉がなくても通じ合えるものがあります。こんな素敵な関係をもてたらいいですね!
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