どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

こぶとり じい

2024年02月29日 | 絵本(昔話・日本)

    こぶとり じい/宮川ひろ・文 蓑田源二郎・絵/ほるぷ社/1985年

 右のほっぺに こぶがある 木こりの じいさまが雨宿りしているとき、天狗の酒盛りにでくわし、歌を歌いおどりまくり、その場を盛り上げたので、次の日もきてくれという約束のしるしに、天狗がこぶを とってしまいます。

 この話をきいた左のほっぺに こぶのあるじいさまが、天狗のところにでかけますが、歌も踊りも天狗が気にいらず、きのうのこぶをつけられ、両方の ほっぺに こぶがある じいさまになってしまう。

 宮川さんの絵本は、はじめてですが、好奇心が旺盛で天狗たちの踊りの輪にとけこんでいくじいさまと、となりのじいさまが、こぶをとってもらおうとでかけたはずなのに、ただふるえてしょぼしょぼするようすに、「自分にみあった生き方をしていけばいいよ」と、となりのじいさまをはげましたくなる とあとがきにありました。

 天狗の踊りの部分がリズミカルで、たしかに、おじいさんも踊りたくなる躍動感いっぱいです。

 よく知られている昔話ですが、おじいさんがであうのが、鬼というのが多いかもしれません。おじいさんも、良い、悪いじいさんというのではなく、ノリのいいおじいさんと、気弱なおじいさんといった感じ。

 「こぶとりじいさん」も、隣のじいさまのほうが踊りがうまい、隣のじいさまにこぶがない、ひとりのおじいさんしかでてこない、踊りではなく魚釣りの技を鬼に披露する、隣のじいさまもこぶを取ってもらうことに成功するなど、さまざまなパターンが存在するといいます。

 

    こぶとり/松谷みよ子・文 瀬川康男・絵/フレーベル館/2003年

 ふたりのじいさまが、神さまにこぶを取ってもらおうといっしょに出かけ、天狗に遭遇します。
 赤天狗、青天狗がでてきて、天狗の眉毛、髪の毛、羽根がついた衣装が カラフルです。

 じいさまが、天狗の前で踊る場面は、笛や太鼓の音が聞こえてきそうです。

 ♭くるみは ぱっぱ
  ばあくずく
  おてらの なすが なったとな
  いっぽんに ひゃくはち
  なったとな
  なるにゃ なったが くさくて くわれん
  ちゃあるるう すってんがあ

 ふたりのじいさま、お宮に おこもりしようと 米や味噌をもって でかけたのは、長期戦?を予想していたのでしょう。


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