鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

野球場で子育てするコチドリ その2

2014年08月16日 | シギ・チドリ類
コチドリはどのようにして繁殖場所を選ぶのだろうか。
きっとツバメと同じように、前年繁殖した場所をまず目指して渡ってくるのだろう。
そこが無事であれば、引き続き同じ場所に営巣しようとするに違いない。
そこが繁殖に適さない状況に変わってしまっている場合は、近くの適地を探すのだろう。

生後1年目の若鳥は、自分が生まれた場所に来るのだろうか。
そこにはたぶん親がいて追い払われ、近くの適地を探すのかもしれない。
親がなんらかの事情で渡ってこなければ、生まれ育った場所で繁殖しようとするのかもしれない。
こうして、一見毎年同じ場所でコチドリの繁殖が見られるのだろうと推測される。

例年、最初のペアが渡ってきて繁殖を始めると、必ず他のペアなども同じ場所にやってきて、繁殖地の争奪戦が起こる。相手は、かつての親子か、昨年の繁殖地を失ったペアなのかもしれない。

さて、2014年の今年は、野球場も完成し、ただし芝生養成中ということで利用開始は9月からという状況だった。
コトドリはたぶん飛来するだろうとは予想していたが、芝生と土だけのグランドで営巣することはないだろうと予想していたのだが…。

ある日、交尾体勢のペアが目に入った。(アミメのフェンス越しなので酷い画像。以降、今年はすべてアミメのフェンス越し、遥か遠くでの撮影なので、画像はすべてとても見にくいです。)



そして、芝生とフィールドの境目にどうやら産卵している様子。



そして、長い長い抱卵の末、雛が孵った。(ピクセル等倍でこの画像しか得られなかったが証拠写真)


ふつうコチドリは4個の卵を産み、少なくとも2~3羽は孵るのだが、見落としている間に行方不明になったのか、最初から1羽しか孵らなかったのか、結局育ったのは1羽のみだった。

広い野球場1面を両親と1羽の雛が独占し、特に敵に襲われる様子もなく、雛はすくすくと育っていった。

ピッチャーマウンドの上がお気に入り。お母さんのおなかの下へ入る雛


両親に守られて、球場を走り回る雛




しかし、一つ心配していたことがあり、その心配は現実のこととなった。

(つづく)
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野球場で子育てするコチドリ

2014年08月16日 | シギ・チドリ類
私がコチドリの子育ての様子を初めて観察したのは2009年。当時、駐車場に隣接する空き地でのことだった。
そこで2年間子育ての様子を観察した後、その地はマンションが建設され、営巣は不可能になった。
翌年、もと日産厚生園だった場所が、都に購入され、建物が取り壊されて更地になった。
コチドリはそこで繁殖する。2011年のことだ。
その空地は、野球場と児童公園になる予定で、工事が始まったが、翌年の2012年は、グランドが整備されている最中に営巣、重機が行き来する中で子育てが始まった。
幸い工事関係者の方がコチドリに注意を払って工事を進めてくれたおかげで、コチドリの雛は無事に巣立った。
その翌年2013年、児童公園は完成したが、野球場の方は工事休止中だったため、コチドリは再度営巣。
その時は、カラスやネコに襲われて雛の数は減ったが、何羽かは無事に旅立った。

2013年の子育ての様子は、途中で記事が中断したままだったので、後半部分を思い出に書き留めておく。

最初の部分は
こちら

水たまりができると、嬉しそうに水浴びする雛




積み上げられた土嚢の上で親のお腹の下に潜り込む。




大きく成長した雛




水たまりで水を飲む雛




この姿を最後に、コチドリの雛は飛び立っていったようだ。

昨年は、これがこの地でのコチドリの子育てを見る最後のチャンスだと思っていた。

(つづく)

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