その日、子育て中のコチドリがいる野球場に業者が入って、草刈りやらグランドの整備などをやっていた。
コチドリはどうしているだろうと気になって、ホームベースの位置からセンターまで半周しながら姿を探す。
するとやっと親2羽がフェンスのすぐ近くに来ているのがわかった。
フェンスの網の近くで盛んに鳴いているので、もしかしたらフェンスの下の隙間から雛がでてしまったのかななどと思いながら様子を見ていた。そういうことが以前にもあったらしいからだ。
よく見ていると、親は代わるがわる側溝の板の隙間を覗き込みながら鳴いているのがわかった。
これは、どうみても、雛が側溝の板の隙間から下へ落ちてしまったとしか思えない。
実は、このような出来事が何日か前にあったと聞いていたのだ。
この側溝の穴は、グランドを1周しているもので、雛が孵ったときから「危ないね。」とお仲間で話し合っていた。
前回は、見つけた方が公園管理事務所へ連絡して板を開けてもらい、木の板で坂道をつくったら、雛が無事に出てきたらしい。
それで、私も事務所へ連絡してお願いしてみた。
側溝の板が開けられ、板が下されると、親鳥は状況を理解したらしく、開いた部分から何度も雛に呼びかけ、しばらくすると、かわるがわる板の途中まで降りては雛を呼ぶ行動を繰り返した。
そして、雛が姿を現した!
ところが、板をそのまま上まで上がってくればいいものを、雛は途中で横へ降りて、ジャンプして上がろうとしたが、何度ジャンプしても上がることはできず、疲れ果ててその場に座り込んでしまった。
すると、親鳥はその様子を見て、雛のところまで板をおりてゆき、羽を広げて雛を抱きかかえた。雛を暖めているようだ。
しばらくすると、元気になった雛はいきなりジャンプして上へ跳びあがり、たったったっと芝生の方へ走って行った。
これで万々歳と思いきや、実はもう1回側溝落下事件はあったようだ。
人間が気づかなければ、いつのまにか雛が行方不明になって今年のコチドリの子育ては終わっていたかもしれないし、それも運命だったのだろうが、気付いてしまった以上、なんとかしたくなるのも人情である。
そして、この事件の様子を見て、コチドリの親の雛を守ろうとする行動がいっそうよくわかり、ますますコチドリが好きになった。
私がこのコチドリの雛を見たのは上の写真が最後だった。
お仲間の観察によれば、その後親に励まされつつ、なんとか高いフェンスを超えて飛び立っていったそうだ。
6年間のコチドリの子育てを身近で観察して、いろいろなことを知ることができ、とても楽しかった。
来年も、コチドリが繁殖できる場所が見つかりますように。
追記:写真を整理していたら、最後の写真はもっとあとだった。7月13日のコチドリ。
ぼけているが、かなり大人っぽくなっている。旅立ったのはこの2~3日後だったという。
コチドリはどうしているだろうと気になって、ホームベースの位置からセンターまで半周しながら姿を探す。
するとやっと親2羽がフェンスのすぐ近くに来ているのがわかった。
フェンスの網の近くで盛んに鳴いているので、もしかしたらフェンスの下の隙間から雛がでてしまったのかななどと思いながら様子を見ていた。そういうことが以前にもあったらしいからだ。
よく見ていると、親は代わるがわる側溝の板の隙間を覗き込みながら鳴いているのがわかった。
これは、どうみても、雛が側溝の板の隙間から下へ落ちてしまったとしか思えない。
実は、このような出来事が何日か前にあったと聞いていたのだ。
この側溝の穴は、グランドを1周しているもので、雛が孵ったときから「危ないね。」とお仲間で話し合っていた。
前回は、見つけた方が公園管理事務所へ連絡して板を開けてもらい、木の板で坂道をつくったら、雛が無事に出てきたらしい。
それで、私も事務所へ連絡してお願いしてみた。
側溝の板が開けられ、板が下されると、親鳥は状況を理解したらしく、開いた部分から何度も雛に呼びかけ、しばらくすると、かわるがわる板の途中まで降りては雛を呼ぶ行動を繰り返した。
そして、雛が姿を現した!
ところが、板をそのまま上まで上がってくればいいものを、雛は途中で横へ降りて、ジャンプして上がろうとしたが、何度ジャンプしても上がることはできず、疲れ果ててその場に座り込んでしまった。
すると、親鳥はその様子を見て、雛のところまで板をおりてゆき、羽を広げて雛を抱きかかえた。雛を暖めているようだ。
しばらくすると、元気になった雛はいきなりジャンプして上へ跳びあがり、たったったっと芝生の方へ走って行った。
これで万々歳と思いきや、実はもう1回側溝落下事件はあったようだ。
人間が気づかなければ、いつのまにか雛が行方不明になって今年のコチドリの子育ては終わっていたかもしれないし、それも運命だったのだろうが、気付いてしまった以上、なんとかしたくなるのも人情である。
そして、この事件の様子を見て、コチドリの親の雛を守ろうとする行動がいっそうよくわかり、ますますコチドリが好きになった。
私がこのコチドリの雛を見たのは上の写真が最後だった。
お仲間の観察によれば、その後親に励まされつつ、なんとか高いフェンスを超えて飛び立っていったそうだ。
6年間のコチドリの子育てを身近で観察して、いろいろなことを知ることができ、とても楽しかった。
来年も、コチドリが繁殖できる場所が見つかりますように。
追記:写真を整理していたら、最後の写真はもっとあとだった。7月13日のコチドリ。
ぼけているが、かなり大人っぽくなっている。旅立ったのはこの2~3日後だったという。