鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

かいぼりした池とカイツブリの子育て覚書 その4

2014年09月06日 | カイツブリ類
カイツブリの繁殖の最後は、とても悲しい結果に終わってしまった。

卵をアオダイショウに食べられてしまい、たった1羽の雛しか育てられなかったお茶の水池のペアは、なんと3度目の営巣に入ったのだ。



この巣は、池の反対側に作られたが、私がたまたま見に行った日に、またアオダイショウガ近づいて来た。



アオダイショウはその後もまた近づいて来たようだが、巣のところまでたどり着けなかったのか、カイツブリがうまく撃退したのか、卵は無事だったようだ。
そして、やっと最初の1羽が誕生したという知らせを受け、次の日に様子を見に行った。

巣の上にはだれもいなかったので、親といっしょに出かけたのだろうかと思っていると、巣からこちら岸に動いてくるものが目に入った。なんと昨日生まれたばかりの雛のようだが、様子がおかしい。体が半分ほど沈んでいて、必死に泳いで入るのだが、だんだん力尽きてどんどん沈んでいってしまった。

その後親鳥が戻ってきたが、なんとなく様子が変で、残った卵もなかなか温めようとはしない。まわりをうろうろするばかり。


(その時の様子だが、コンデジで撮った記録写真なので、酷い画像。さすがに雛が沈むところは写真を撮るどころではなかった。)

そして、親はついに巣を離れ、残った卵を温めることはなかった。そして、次の日行ってみると、巣の上にはアカミミガメがのっていた。

いったい何が起こったのだろうか。私が見たものは何だったのだろうか。
巣にアカミミガメがのっていたことから、やはり雛はアカミミガメに襲われたという可能性が一番高い。池の水は割と澄んでいたし、私の目には雛の下にカメがいるようには見えなかったが、カイツブリの雛がおぼれるはずはないと言われているので、何かに引き込まれたと考えるのが妥当なのだろう。

そもそも、雛が襲われた時、カイツブリの親はなぜそれを防ごうとはしなかったのか。
私がこのメスの三度目の営巣を観察しているとき、ペアの間に営巣に対する温度差を感じた。まず、オスがなかなか交代に来なかった。そして、ある日見ていると、オスは初めの子(オスにとっては)と一緒に餌採りをしていて、捕ったトンボを子どもと分け合ったりもしていた。そのとき、メスが巣からものすごい勢いで「ケレケレ…。」と鳴きながら走り出てきて、オスと子供を引き裂き、二人で連れ添うように泳ぐ場面を見た。



上の写真は、最初の子ども。この子は、メスが抱卵を始めたとき、巣の傍でうろうろしていたし、巣に上がってヘルパーのような行動をしていたという話も聞いている。

しかし、私が最後に見たときは、近寄ってきた子供を、メスはものすごい剣幕で追い払った。


その後もオスがなかなか交代に来ないので、メスはたびたび巣を空けて、自分の食事をしに行っているようで、巣が空っぽのことが多かったのだ。

だから、アカミミガメが襲ってきたときも、メスは留守だったのかもしれない。
カイツブリの子育ては、ペアが交代で抱卵・給餌・子どもの保護をするからこそうまくできるのであって、ペアの協調がうまくいかないと、失敗する可能性が高くなるのではないだろうか。

かいぼり後の池はカイツブリの楽園のような様相を見せていたが、その後取り残したり、かい掘りしなかった池から漏れ出てきたブルーギルが瞬く間に大繁殖し、だんだんカイツブリの餌も減ってきた。

池で同じように魚を捕ってくらしているカワセミが自分の嘴の長さより大きなブルーギルを捕って苦労しているのを見た方もいる。

うまれた子供たちはその後どうなったか。
それは次回(最終回のつもり)で。