みんなが元気ではない NPO法人いきいきネットの海瀬正一代表理事 「高齢者って何歳から?」団地で高齢者支援のNPO代表
2017年1月26日 (木)配信共同通信社
―75歳以上を高齢者とするという提言が出た。
「賛成だ。昔に比べて元気な人が増えていると思う。40年以上暮らしている埼玉県三郷市のみさと団地はかつて子どもであふれていたが、今は高齢化が大きな問題になっている。住民のみんなが元気に暮らせているわけではない。だから私たちNPO法人『いきいきネット』は団地に市が設置したサロンを拠点に高齢者の交流と生活の支援をしている」
―具体的な活動は。
「団地には60歳を過ぎた途端に具合が悪くなった人もいれば、寝たきりや足の不自由な高齢者もいる。生活支援が必要な人たちだ。部屋の電球の交換から買い物、掃除やごみ出し、洗濯、家具の移動、病院の送迎などのサービスを1時間500円で実施している。依頼は電話で受け付けており、2015年度は499件、16年度は12月までに427件あった。いきいきネットのメンバーは45人程度で、60代後半から70代後半までいる。元気な人が、できることをして支え合っていけばいい」
―高齢者の孤独死が社会問題になっている。
「残念ながら(約8600世帯の)みさと団地でも孤独死はある。単身高齢者は800世帯あると言われている。体調が悪くて外になかなか出られない人や、引きこもっている人もいる。洗濯物が干しっぱなしだったり、近くの部屋で生活の気配がしなかったりといった異変に早く気付いてあげることが大事だ。お互いを見守ってくださいと啓発しており、あの部屋は大丈夫かしらと連絡をくれる住民もいる。サロンでは、住民はおしゃべりや将棋を楽しむことができるが、昨年の夏、よく顔を出す70代の女性が突然来なくなった。おかしいと思って部屋を訪ねると、熱中症で倒れる寸前で、何とか病院に搬送できた」
―元気に生活するには何が必要か。
「地域や社会と関わって、人とのつながりを持つことが大切だ。サロンに来る人たちは和気あいあいとしている。女性に比べて、男性は定年まで会社と家の往復で地域とのつながりのない人がほとんどだ。勇気を持って一歩踏み出せば、人とのつながりができて元気に暮らしていけるのではないか」
× ×
かいせ・まさかず 76歳。東京都出身。2013年にいきいきネットを設立し、現職。
2017年1月26日 (木)配信共同通信社
―75歳以上を高齢者とするという提言が出た。
「賛成だ。昔に比べて元気な人が増えていると思う。40年以上暮らしている埼玉県三郷市のみさと団地はかつて子どもであふれていたが、今は高齢化が大きな問題になっている。住民のみんなが元気に暮らせているわけではない。だから私たちNPO法人『いきいきネット』は団地に市が設置したサロンを拠点に高齢者の交流と生活の支援をしている」
―具体的な活動は。
「団地には60歳を過ぎた途端に具合が悪くなった人もいれば、寝たきりや足の不自由な高齢者もいる。生活支援が必要な人たちだ。部屋の電球の交換から買い物、掃除やごみ出し、洗濯、家具の移動、病院の送迎などのサービスを1時間500円で実施している。依頼は電話で受け付けており、2015年度は499件、16年度は12月までに427件あった。いきいきネットのメンバーは45人程度で、60代後半から70代後半までいる。元気な人が、できることをして支え合っていけばいい」
―高齢者の孤独死が社会問題になっている。
「残念ながら(約8600世帯の)みさと団地でも孤独死はある。単身高齢者は800世帯あると言われている。体調が悪くて外になかなか出られない人や、引きこもっている人もいる。洗濯物が干しっぱなしだったり、近くの部屋で生活の気配がしなかったりといった異変に早く気付いてあげることが大事だ。お互いを見守ってくださいと啓発しており、あの部屋は大丈夫かしらと連絡をくれる住民もいる。サロンでは、住民はおしゃべりや将棋を楽しむことができるが、昨年の夏、よく顔を出す70代の女性が突然来なくなった。おかしいと思って部屋を訪ねると、熱中症で倒れる寸前で、何とか病院に搬送できた」
―元気に生活するには何が必要か。
「地域や社会と関わって、人とのつながりを持つことが大切だ。サロンに来る人たちは和気あいあいとしている。女性に比べて、男性は定年まで会社と家の往復で地域とのつながりのない人がほとんどだ。勇気を持って一歩踏み出せば、人とのつながりができて元気に暮らしていけるのではないか」
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かいせ・まさかず 76歳。東京都出身。2013年にいきいきネットを設立し、現職。