飲酒死亡、発生率8倍超 16年の事故213件 警察庁、10年ぶり分析
その他 2017年2月23日 (木)配信共同通信社
2016年の飲酒運転による死亡事故は213件だったことが23日、警察庁のまとめで分かった、前年より12件増え、死者は221人。飲酒運転をした場合の死亡事故発生率は、それ以外の場合の8倍以上で、危険性を改めて示した。詳細な分析は約10年ぶり。
統計は1990年からあり、ピークは93年の1480件。罰則強化などの影響により大幅に減少したが、08年ごろからは横ばい状態が続き、担当者は「いまだに『これくらいなら大丈夫』と飲酒運転する人がおり、取り締まりを厳しくしたい」と話している。
死亡事故の類型は、ガードレールや電柱などに激突する「工作物衝突」が92件で突出して多く、これを含めた車両単独が過半数を占めた。運転者は9割以上の202人が男性だった。女性も含めた年代別の最多は60代後半の22人で、40代前半が21人で続いた。10代も15人いた。
死者のうち運転していたのは149人で、同乗者は16人。歩行者など巻き添えになった第三者は56人に上って4分の1を占め、飲酒運転の悪質性も浮き彫りにした。
死亡事故の発生率は、飲酒運転をしていた場合が5・67%。それ以外の場合の0・68%と比べて8倍以上となった。時間帯は午後10時~午前6時が計137件で64・3%を占めた。飲酒運転以外は同時間帯で20・8%にとどまる。
飲酒状況の分析では、死亡事故を起こした運転者213人の7割近い145人が呼気1リットル当たり0・15ミリグラム以上のアルコールを検出する「酒気帯び」で、正常な運転ができない恐れがある「酒酔い」は25人。飲酒場所が判明した150人のうち最多は居酒屋の44人、次いで自宅が31人だった。
飲酒後から事故発生までの時間が分かる113人では、30分未満が34人、30分~1時間が32人で、両者で6割近く。9時間以上も2人いた。時間を置いてから事故を起こした理由は「出勤のため二日酔いで運転」「アルコールは残っていないと思った」などだった。
都道府県別の死亡事故件数では、茨城が21件(死者24人)で最も多く、次いで沖縄の13件(同13人)などだった。
※飲酒運転の厳罰化
東名高速で1999年11月、飲酒運転のトラックに追突され、乗用車に乗っていた女児2人が死亡する事故をきっかけに、飲酒運転の厳罰化を求める声が高まった。2001年12月施行の改正刑法で「危険運転致死傷罪」を新設。06年8月には福岡市で幼児3人が犠牲になる事故が起きたことで、再び大きな議論になった。07年9月に罰則を強化した改正道交法が施行され、要求・依頼して飲酒運転の車に乗る行為も「同乗罪」と規定。14年5月施行の自動車運転処罰法では、危険運転致死傷罪の適用範囲を広げて取り締まりが強化された。
その他 2017年2月23日 (木)配信共同通信社
2016年の飲酒運転による死亡事故は213件だったことが23日、警察庁のまとめで分かった、前年より12件増え、死者は221人。飲酒運転をした場合の死亡事故発生率は、それ以外の場合の8倍以上で、危険性を改めて示した。詳細な分析は約10年ぶり。
統計は1990年からあり、ピークは93年の1480件。罰則強化などの影響により大幅に減少したが、08年ごろからは横ばい状態が続き、担当者は「いまだに『これくらいなら大丈夫』と飲酒運転する人がおり、取り締まりを厳しくしたい」と話している。
死亡事故の類型は、ガードレールや電柱などに激突する「工作物衝突」が92件で突出して多く、これを含めた車両単独が過半数を占めた。運転者は9割以上の202人が男性だった。女性も含めた年代別の最多は60代後半の22人で、40代前半が21人で続いた。10代も15人いた。
死者のうち運転していたのは149人で、同乗者は16人。歩行者など巻き添えになった第三者は56人に上って4分の1を占め、飲酒運転の悪質性も浮き彫りにした。
死亡事故の発生率は、飲酒運転をしていた場合が5・67%。それ以外の場合の0・68%と比べて8倍以上となった。時間帯は午後10時~午前6時が計137件で64・3%を占めた。飲酒運転以外は同時間帯で20・8%にとどまる。
飲酒状況の分析では、死亡事故を起こした運転者213人の7割近い145人が呼気1リットル当たり0・15ミリグラム以上のアルコールを検出する「酒気帯び」で、正常な運転ができない恐れがある「酒酔い」は25人。飲酒場所が判明した150人のうち最多は居酒屋の44人、次いで自宅が31人だった。
飲酒後から事故発生までの時間が分かる113人では、30分未満が34人、30分~1時間が32人で、両者で6割近く。9時間以上も2人いた。時間を置いてから事故を起こした理由は「出勤のため二日酔いで運転」「アルコールは残っていないと思った」などだった。
都道府県別の死亡事故件数では、茨城が21件(死者24人)で最も多く、次いで沖縄の13件(同13人)などだった。
※飲酒運転の厳罰化
東名高速で1999年11月、飲酒運転のトラックに追突され、乗用車に乗っていた女児2人が死亡する事故をきっかけに、飲酒運転の厳罰化を求める声が高まった。2001年12月施行の改正刑法で「危険運転致死傷罪」を新設。06年8月には福岡市で幼児3人が犠牲になる事故が起きたことで、再び大きな議論になった。07年9月に罰則を強化した改正道交法が施行され、要求・依頼して飲酒運転の車に乗る行為も「同乗罪」と規定。14年5月施行の自動車運転処罰法では、危険運転致死傷罪の適用範囲を広げて取り締まりが強化された。