島根大病院 先天性心疾患 大人も手術
2017年2月17日 (金)配信山陰中央新報
山陰両県で唯一、小児心臓外科を持つ島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)が、新たに大人を対象に加えて、先天性心疾患の手術を始めた。主に幼少期に同疾患の手術を受け、成人期に再手術が必要になった患者を想定。年齢を問わず、同科で一元的に手術を行う体制を整えた。
先天性心疾患には、左右の心室を仕切る壁に穴が開いている心室中隔欠損症などがある。手術をしないと命に危険が及ぶケースもあるが、子どもの心臓は小さく、高度な技術を要する。同症の場合、子どもの時に穴を閉じる手術をしても、大人になって臓器の成長に伴い、再び穴が開いて再手術が必要になることもある。
同病院は2013年、小児心臓外科の藤本欣史講師(47)の赴任に合わせ、山陰両県で初めて同科を開設。同講師の執刀で、子どもを対象に先天性心疾患の手術を始めた。山陰両県の患者を中心に手術件数は年々増え、14年の56件から16年には70件となった。
この間、15年には同科の医師を2人に拡充。手術が軌道に乗り、対象を大人に広げる環境が整った。
藤本講師によると、年齢を問わずに先天性心疾患患者の手術を受け入れるのは、山陰両県では先駆的な取り組み。成人期の再手術などのため、島根県外の医療機関を使っていた患者の体や経済的な負担の軽減にもつながるという。
このほど、1歳の時に心室中隔欠損症などの手術を受けたものの、再手術が必要になった出雲市の30代男性を対象に、大人の手術を初めて実施した。男性は血液の逆流を防ぐ右心室の肺動脈弁の機能が低下していたが、自覚症状がなかった。将来的に命の危険が考えられるため手術した。
藤本講師は、先天性心疾患の子どもの約3割は成人期に再手術が必要だと指摘。「一元的に患者を受け入れて経過観察も徹底し、命を救いたい」と話した。
2017年2月17日 (金)配信山陰中央新報
山陰両県で唯一、小児心臓外科を持つ島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)が、新たに大人を対象に加えて、先天性心疾患の手術を始めた。主に幼少期に同疾患の手術を受け、成人期に再手術が必要になった患者を想定。年齢を問わず、同科で一元的に手術を行う体制を整えた。
先天性心疾患には、左右の心室を仕切る壁に穴が開いている心室中隔欠損症などがある。手術をしないと命に危険が及ぶケースもあるが、子どもの心臓は小さく、高度な技術を要する。同症の場合、子どもの時に穴を閉じる手術をしても、大人になって臓器の成長に伴い、再び穴が開いて再手術が必要になることもある。
同病院は2013年、小児心臓外科の藤本欣史講師(47)の赴任に合わせ、山陰両県で初めて同科を開設。同講師の執刀で、子どもを対象に先天性心疾患の手術を始めた。山陰両県の患者を中心に手術件数は年々増え、14年の56件から16年には70件となった。
この間、15年には同科の医師を2人に拡充。手術が軌道に乗り、対象を大人に広げる環境が整った。
藤本講師によると、年齢を問わずに先天性心疾患患者の手術を受け入れるのは、山陰両県では先駆的な取り組み。成人期の再手術などのため、島根県外の医療機関を使っていた患者の体や経済的な負担の軽減にもつながるという。
このほど、1歳の時に心室中隔欠損症などの手術を受けたものの、再手術が必要になった出雲市の30代男性を対象に、大人の手術を初めて実施した。男性は血液の逆流を防ぐ右心室の肺動脈弁の機能が低下していたが、自覚症状がなかった。将来的に命の危険が考えられるため手術した。
藤本講師は、先天性心疾患の子どもの約3割は成人期に再手術が必要だと指摘。「一元的に患者を受け入れて経過観察も徹底し、命を救いたい」と話した。