脳梗塞の新たな細胞療法開発 新潟大脳研の研究グループ
2017年2月17日 (金)配信新潟日報
新潟大脳研究所の金沢雅人助教(41)=神経内科学=らの研究グループは、脳の免疫細胞「ミクログリア」を使った脳梗塞に対する新たな細胞療法を開発した。薬剤を使わず、免疫細胞を刺激することで血管や神経の再生をもたらす「善玉化」ができると確認できた。脳梗塞のラットに投与し、症状が改善する効果が認められたという。
研究グループが英科学誌(電子版)に14日発表した。リスクが少ない脳梗塞治療法を模索していた金沢助教らは、脳内にある細胞ミクログリアに着目。この細胞は脳の炎症を引き起こし攻撃する悪玉と、炎症を抑え神経再生につなげる善玉という二つの状態がある。
研究ではラットの脳からミクログリアを分離し、酸素とブドウ糖の濃度を短時間低下させる刺激を与え、善玉に変化することが分かった。
善玉化した細胞を脳梗塞のラットに投与すると、脳梗塞が起きた部位に入り込み、新しい血管を多く作ったり、脳梗塞の前段階で神経細胞の再生を促進したりすることが分かった。
金沢助教は「自身の細胞を使うため、がん化などのリスクがない」と利点を強調する。「副作用をもたらす可能性のある薬剤を使わずに、善玉化できることを初めて発見した」とし、特許を出願している。
1、2年後をめどに、臨床研究情報センター(神戸市)と共に臨床試験をしたい考え。共同研究をした新大脳研の下畑享良准教授(49)=神経内科学=は「臨床試験までにミクログリアの投与のタイミングや必要な数など最適な条件を見極めたい。実用化も早いと考えている」と見通しを語った。
2017年2月17日 (金)配信新潟日報
新潟大脳研究所の金沢雅人助教(41)=神経内科学=らの研究グループは、脳の免疫細胞「ミクログリア」を使った脳梗塞に対する新たな細胞療法を開発した。薬剤を使わず、免疫細胞を刺激することで血管や神経の再生をもたらす「善玉化」ができると確認できた。脳梗塞のラットに投与し、症状が改善する効果が認められたという。
研究グループが英科学誌(電子版)に14日発表した。リスクが少ない脳梗塞治療法を模索していた金沢助教らは、脳内にある細胞ミクログリアに着目。この細胞は脳の炎症を引き起こし攻撃する悪玉と、炎症を抑え神経再生につなげる善玉という二つの状態がある。
研究ではラットの脳からミクログリアを分離し、酸素とブドウ糖の濃度を短時間低下させる刺激を与え、善玉に変化することが分かった。
善玉化した細胞を脳梗塞のラットに投与すると、脳梗塞が起きた部位に入り込み、新しい血管を多く作ったり、脳梗塞の前段階で神経細胞の再生を促進したりすることが分かった。
金沢助教は「自身の細胞を使うため、がん化などのリスクがない」と利点を強調する。「副作用をもたらす可能性のある薬剤を使わずに、善玉化できることを初めて発見した」とし、特許を出願している。
1、2年後をめどに、臨床研究情報センター(神戸市)と共に臨床試験をしたい考え。共同研究をした新大脳研の下畑享良准教授(49)=神経内科学=は「臨床試験までにミクログリアの投与のタイミングや必要な数など最適な条件を見極めたい。実用化も早いと考えている」と見通しを語った。