インスリン抵抗性の原因蛋白質発見
東北大など、肥満化脂肪細胞の「CHOP」過剰産生により
化学工業日報2017年3月7日 (火)配信 内分泌・代謝疾患
東北大学、岩手医科大学、徳島大学先端酵素研究所の共同研究グループは、肥満化した脂肪細胞が作り出すたんぱく質「CHOP」が過剰に増えると、炎症を引き起こしインスリンの効きを悪くする「インスリン抵抗性」が生じることを見いだした。太ると血糖値が高くなる関係を分子メカニズムとして解明できた。同たんぱく質を新たな標的として、糖尿病予備軍の予防・インスリン抵抗性を改善する食品素材、薬剤の開発につながる可能性がある。
研究グループはこれまでにCHOPの増加と動脈硬化やインスリン分泌の減少などの関係を明らかにしており、これらの成果を踏まえ肥満状態にある細胞とインスリン抵抗性とのかかわりがあるとみて研究に着手。CHOPは細胞内のたんぱく質合成が過剰となって細胞ストレス状態になると劇的に増える。とくに脂肪細胞が肥満化すると増えることが知られている。
肥満した脂肪細胞は、正常の脂肪細胞で活性化して炎症抑制に関与している生理活性物質「Th2サイトカイン」の分泌・産生が減少し、マクロファージが炎症を引き起こすM1型に切り替わり脂肪組織内で増加。これにより慢性の脂肪組織が炎症を起こし、インスリン抵抗性が発生していた。
インスリン抵抗性は、肥満状態の脂肪細胞にM1型マクロファージが増え、これが入り込み炎症を起こすことにより誘導される。確認のため、CHOPを欠損したマウスを作成し肥満になるように飼育した。解析によりインスリン抵抗性が発生しにくく、糖尿病にもなりにくいことも分かった。
成果は、国際学術誌「Cell Reports」電子版に掲載された。
東北大など、肥満化脂肪細胞の「CHOP」過剰産生により
化学工業日報2017年3月7日 (火)配信 内分泌・代謝疾患
東北大学、岩手医科大学、徳島大学先端酵素研究所の共同研究グループは、肥満化した脂肪細胞が作り出すたんぱく質「CHOP」が過剰に増えると、炎症を引き起こしインスリンの効きを悪くする「インスリン抵抗性」が生じることを見いだした。太ると血糖値が高くなる関係を分子メカニズムとして解明できた。同たんぱく質を新たな標的として、糖尿病予備軍の予防・インスリン抵抗性を改善する食品素材、薬剤の開発につながる可能性がある。
研究グループはこれまでにCHOPの増加と動脈硬化やインスリン分泌の減少などの関係を明らかにしており、これらの成果を踏まえ肥満状態にある細胞とインスリン抵抗性とのかかわりがあるとみて研究に着手。CHOPは細胞内のたんぱく質合成が過剰となって細胞ストレス状態になると劇的に増える。とくに脂肪細胞が肥満化すると増えることが知られている。
肥満した脂肪細胞は、正常の脂肪細胞で活性化して炎症抑制に関与している生理活性物質「Th2サイトカイン」の分泌・産生が減少し、マクロファージが炎症を引き起こすM1型に切り替わり脂肪組織内で増加。これにより慢性の脂肪組織が炎症を起こし、インスリン抵抗性が発生していた。
インスリン抵抗性は、肥満状態の脂肪細胞にM1型マクロファージが増え、これが入り込み炎症を起こすことにより誘導される。確認のため、CHOPを欠損したマウスを作成し肥満になるように飼育した。解析によりインスリン抵抗性が発生しにくく、糖尿病にもなりにくいことも分かった。
成果は、国際学術誌「Cell Reports」電子版に掲載された。