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被ばく医療の原点に戻れ 甲状腺がんで見直し論議 「震災・原発事故6年」「県民健康調査」

2017年03月13日 22時33分30秒 | 行政
被ばく医療の原点に戻れ 甲状腺がんで見直し論議 「震災・原発事故6年」「県民健康調査」
2017年3月10日 (金)配信共同通信社

 東日本大震災による東京電力福島第1原発事故から11日で6年。被災地・福島県では小児甲状腺がんを早期発見するための県民健康調査の在り方について、見直しの論議が起きている。
 「過剰な治療リスクを負担させるのはよくない」という医療側の検査縮小の求めに対し、患者の家族会が「がんの見落としにつながる恐れもある」と反発。県当局は対応を検討しているが、被ばく医療の原点を忘れないようにしてほしい。
 一連の動きで思い出すのは1954年3月のビキニ事件だ。第五福竜丸をはじめ多くの漁船が米国の水爆実験で死の灰を浴び、その後船員たちは内部被ばくによる健康被害に苦しみ、高知県では昨年5月に国家賠償請求訴訟が起きている。
 福島では原発事故当時18歳以下の約38万人を対象に甲状腺検査を行ってきた。見直しの動きが出てきたのは昨年4月。健康調査の案内書に、検査に同意するか否かの設問を加え「同意せず調査の案内も不要」と答えた場合、申込書は送られなくなった。
 昨年9月、福島市内で放射線と健康被害をテーマにした日本財団主催の国際会議が開かれた。「福島県民の被ばく量はチェルノブイリよりはるかに少ない」「甲状腺異常の増加は高性能の検査機器導入による集団検診効果だ」などの報告が出され、12月に「健康調査は自主参加とすべきである」との提言が内堀雅雄知事に提出された。
 「311甲状腺がん家族の会」(事務局長・武本泰さん)は「被ばくとがん発症の因果関係すらわかっていない段階で、検査の見直しなど納得できない」と批判している。
 原発事故後の行政の対応で忘れられないのは、30年もかけて開発したSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)などが役に立たず、県民の避難が遅れて無用の被ばくをさせてしまったことだ。
 高知地裁で審理が進んでいる裁判は、63年前に被ばくした漁船員の歯を集め、内部被ばくを立証しようとしているが、福島県では海外では一般的になっているその手法を健康調査に取り入れようともしなかった。
 同県内では昨年12月時点で甲状腺がんやその疑いがあると診断された人は184人もいる。そうした中で、政府は今月末に帰還困難区域を除き、避難指示を全面的に解除する方針だ。「復興に向かう中、検査見直し論は原発事故を幕引きにしたい政治的な思惑もあるのでは」との声も聞く。
 広島、長崎への原爆投下、ビキニの水爆実験と続く核の歴史は、健康被害を過小評価する行為の繰り返しだった。内部被ばくの恐ろしさを知った今、第4の被ばくともいえる福島でその愚を繰り返してはならないのである。(共同通信編集委員 上野敏彦)
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出産時のタクシー代助成 最大1万円「不安少しでも解消」

2017年03月13日 22時29分02秒 | 行政
出産時のタクシー代助成 最大1万円「不安少しでも解消」
2017年3月10日 (金)配信山陰中央新報

 鳥取県伯耆町が2017年度、出産時に利用したタクシー代の助成を始める。産気づいた際に交通手段がないなど、やむを得ずタクシーを使う場合に、1子につき1回限り最大1万円を助成する。妊婦の不安を少しでも取り除く狙いで、県内では初めての試みという。
 開会中の定例町議会に提出した17年度一般会計当初予算案に、事業費180万円を盛り込んでいる。
 町健康対策課によると、町内の年間出生数は70人前後。タクシー代の助成は家族の不在時や妊婦が外出中のケースを想定。急に陣痛の波が早まり、出産を控えて入院する場合に利用を見込んでいる。破水など、出産が迫り一刻を争う場合は救急車の利用が望ましいという。
 町内の奥部から、米子市内の鳥取大医学部付属病院までのタクシー代はおよそ1万円。全域でほぼ全額がまかなえる金額設定だ。
 出産時のほか、定期的な通院を必要とする人工透析患者にも月額3千円を上限に交通費を助成する。
 同課の小村健課長は「妊婦の方の不安を少しでも解消し、安心して出産してもらえるよう取り組みたい」と話した。
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在宅酸素療法患者 災害時の支援体制構築へ

2017年03月13日 22時22分30秒 | 地域
在宅酸素療法患者 災害時の支援体制構築へ
2017年3月10日 (金)配信河北新報

 宮城県石巻市、東松島市、女川町の3市町や石巻地方の医療機関など15組織は、4月から在宅酸素療法患者(HOT患者)の支援システムの運用を始める。東日本大震災を教訓に災害弱者の命を守る体制を構築する。
 HOT患者は呼吸器や心臓の疾患のため、酸素の吸入を必要とする。多くは酸素ボンベなどからチューブで鼻から酸素を吸入する。
 支援システムは、かかりつけ医の指導でHOT患者が居住自治体に疾患名や必要な酸素量などを登録。情報は石巻赤十字病院(石巻日赤)に提供され、有事の際に在宅酸素事業者の協力を得て開設する「HOTセンター」で患者の救護や治療に役立てる。石巻日赤は来院患者の安否情報を自治体に提供する。
 石巻日赤で7日にあった締結式で、亀山紘石巻市長が「震災を経験した自治体として、災害に対応できる体制づくりを進める」とあいさつ。石巻日赤の金田巌院長は「医療機関ができることは限られている。行政、業者と協力して強いシステムにしたい」と話した。
 県東部保健福祉事務所によると、震災では長時間の停電や医療機関の機能喪失などで、石巻地方のHOT患者約250人のうち13.2%(33人)が死亡。災害医療拠点となった石巻日赤は院内に「HOTセンター」を開設したが、他の医療機関の患者が52%を占め、患者情報がスムーズに収集できず、適切な酸素管理や後方支援に支障が出た。
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勤務間休息、努力義務に 労使、法律明記で合意へ

2017年03月13日 22時14分28秒 | 行政
勤務間休息、努力義務に 労使、法律明記で合意へ
行政・政治 2017年3月10日 (金)配信朝日新聞

 政府が導入をめざす「残業時間の上限規制」をめぐり、経団連と連合が、終業と始業の間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル規制」について、事業主に導入の努力義務を課すよう法律に明記することで合意する見通しになった。制度導入に向けた労使の取り組みを支援するよう政府に求めることでも一致。近くまとめる予定の合意文書に明記する。
 合意文書には、職場でのパワーハラスメント防止に向けた対策を強化するため、労使を交えた検討の場を設置することも盛り込む。過労死・過労自殺を減らしていくため、過労死等防止対策推進法に基づく大綱で掲げる数値目標を厳しく見直すよう政府に求めることも明記する。
 残業時間については、労使合意による協定(36〈サブロク〉協定)を結ぶことを前提に「月45時間、年間360時間」を上限に設定。繁忙期などの特例として、年間の上限を「720時間(月平均60時間)」とし、▽月45時間を超えられるのは6カ月まで▽とくに忙しい時期は「2~6カ月の平均でいずれも月80時間」を上限にする▽「きわめて忙しい1カ月」の上限の線引きは「100時間」とする――ことで労使は一致している。ただ、この線引きについて連合は「100時間未満」、経団連は「100時間」とするよう主張しており、詰めの調整が続いている。
 残業時間の上限については、内容を明記した改正法の施行から5年が過ぎた後に、必要な見直しをすることも合意文書に盛り込む。
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医学部入試で解答用紙紛失 島根大

2017年03月13日 22時09分37秒 | 地域
医学部入試で解答用紙紛失 島根大
2017年3月10日 (金)配信共同通信社

 島根大は10日、2月25日に実施した医学部医学科の一般入試で、数学の試験後に受験生1人の解答用紙を紛失するミスがあった、と発表した。
 翌26日の面接試験後に受験生と保護者に経緯を説明。再試験はしていないが、不利益にならないように対応したとしている。合否は明らかにしていない。
 原因は不明だが、用紙を回収する際、監督官の教員は枚数を確認していなかった。事務室で別の職員が改めて確認し、解答用紙1枚が足りないことに気付いた。
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「認知症恐れ」5万人超 昨年、免許保有の高齢者

2017年03月13日 22時07分22秒 | 行政
「認知症恐れ」5万人超 昨年、免許保有の高齢者
2017年3月13日 (月)配信共同通信社

 警察庁によると、昨年1年間に認知機能検査を受けた運転免許保有者の高齢者は約166万3千人に上った。そのうち、「認知症の恐れ」があると判定された第1分類は約5万1千人(暫定値)。全体に占める割合は3・1%にとどまるが、2010年の約1万6千人と比べると3倍以上に増えている。
 死亡事故の総数は05年の約6100件から、16年は約3400件まで減少。これに対し、75歳以上の死亡事故は05年以降、毎年400件台で横ばいが続く。高齢者の免許保有者の増加が今後も増えると予想される中、検査強化は、重大事故を起こす恐れのあるドライバーを把握する機会を増やす狙いがある。
 昨年の検査ではほかに、「認知機能が低下している恐れがある」の第2分類は約48万7千人で29・3%。「認知症の恐れがない」の第3分類は最も多い約112万5千人で67・6%を占めた。第1分類を含め、いずれも増加傾向にある。
 警察庁によると、昨年に死亡事故を起こした75歳以上のドライバーは459人で、このうち34人は事故前に受けた認知機能検査で第1分類と判定されていた。検査強化後は医師の診察が義務付けられるため、事故を防げた可能性がある。
 また、15年に75歳以上が起こした死亡事故458件の原因分析では、ハンドル操作やブレーキ、アクセルの踏み間違いなど「操作不適」29・3%、「安全不確認」23・1%、漫然と運転するなどの「内在的前方不注意」18・6%など。加齢による判断力の低下などが影響している実態を浮かび上がらせた。
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偽造C肝薬で改善命令へ 東京都、卸売業者5社に

2017年03月13日 22時05分17秒 | 行政
偽造C肝薬で改善命令へ 東京都、卸売業者5社に
2017年3月13日 (月)配信共同通信社

 C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が見つかった問題で、東京都が偽造品を扱っていた都内の卸売業者5社に対し、医薬品医療機器法に基づく改善措置命令を出す方針を固めたことが13日、関係者への取材で分かった。13日にも命令する。
 偽造品は1月以降、奈良県内の薬局チェーンや都内の複数の卸売業者から計15本見つかった。関係者によると、都の処分対象は偽造品を仕入れた千代田区の業者と、転売先の業者の計5社。
 医薬品取引では仕入れ先の記録が義務付けられている。だが、千代田区の業者はこれまでの取材に「複数の個人から、相手の身元確認をせずに購入した。仕入れ伝票には全て架空の会社名を書いた」と虚偽記載を認めている。
 奈良県と奈良市は7日に、偽造品が見つかった薬局の運営会社に医薬品医療機器法に基づく改善措置命令を出している。
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早朝から診療のクリニック 来院から会計まで個室で

2017年03月13日 22時02分54秒 | 地域
早朝から診療のクリニック 来院から会計まで個室で
2017年3月13日 (月)配信中日新聞

 午前6時半から診療を始め、医師が患者のいる個室に出向いて応対する一風変わったスタイルの診療所「みやこ内科クリニック」が愛知県春日井市如意申町に開院した。早朝診療は、子どもの急な発熱などで仕事を休んでいた働く母親の手助けになりそうだ。石黒裕一郎院長(40)は「スムーズな診療で患者さんのつらい思いを減らしたい」と話す。
 石黒さんは、2002年に三重大医学部を卒業し、03年から10年間、大阪府松原市の松原徳洲会病院で救急医として勤務。即応が当然の救急医療の現場に身を置く中で、長い時間待たされる外来診療の在り方に疑問を抱いていた。患者本位の外来診療に挑もうと、岐阜県内の開業医で3年間にわたり薬の院内処方を学び、地元の春日井市で開業準備を進めてきた。
 開院にあたり、弟で看護師資格のある良祐さん(38)と構想を練った。平日でも仕事前に来院できるよう早朝から受け付け、正月3が日を除き、年中無休で土日も開院する。同じように診察待ちする他の患者に気遣いする必要をなくすために個室を用意。院外の薬局へ足を運ぶ、医薬分業も見直した。
 まず来院すると、待合室ではなく、6部屋ある診察室の一つへ案内する。1人掛けのソファ、家族用の2人掛けソファ、幼児用の机と椅子など部屋ごとに工夫し、1人の患者でも親子の来院者でも対応できるように配慮。親の診察中にスタッフが子どもと遊ぶこともあるという。
 ソファは背もたれが電動で倒れ、ベッドにもなる。体調の悪い患者が椅子からベッドへ移る手間を省いた。診察を終えると、石黒さんが薬を調合して患者に手渡し、会計まで全て部屋で済ませる。
 早朝診療を聞き付けて名古屋市から通う患者もいるという。
 小牧市の女性患者(51)は、「母子家庭の親にとっては、子どもが急な熱を出しても職場に迷惑をかけずに診てもらえるという安心感がある」と笑顔を見せた。
 10人のスタッフは、幼い子どもがいる母親を積極的に採用した。通常業務は昼すぎで終わるため、石黒さんはスタッフにも仕事と育児を両立させるワークライフバランスを大切にしてもらいたいと願う。(浅野有紀)
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両立支援マニュアル

2017年03月13日 22時00分18秒 | 行政
両立支援マニュアル
治療と就労の両立支援マニュアル

労働者健康安全機構(以下、「機構」という。)では、勤労者の治療と就労の両立支援を進めるため、全国の労災病院で「治療就労両立支援モデル事業」を展開しております。
機構では、両立支援コーディネーター(以下「コーディネーター」という。)が治療就労両立支援チームの一員として、勤労者、医療機関、事業場といった関係者間の仲介・調整の他、治療方針、職場環境、社会資源等に関する情報の収集・整理等を実施する中心的な役割を担うという事業を展開し、「がん、糖尿病、脳卒中、メンタルヘルス」の疾病4分野についての『治療と就労の両立支援マニュアル』を作成しました。
マニュアルでは、医療機関において両立支援業務を行うに当たっての基本スキルや知識に加え、両立支援の事例紹介等、実際に両立支援を実施する上で医療スタッフ・従事者(医師・看護師・MSW等)が留意すべき事項等を掲載しています。また、医療従事者のみならず、企業の労務管理担当者や産業保健スタッフの方々にも、両立支援の基本的な取組方法について、ご理解いただけるよう構成されています。
本マニュアルが、各種両立支援の取組の一助となれば幸いです。
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風疹ワクチン「2回接種を」 クリス・ハートさんが啓発

2017年03月13日 20時19分46秒 | 行政
風疹ワクチン「2回接種を」 クリス・ハートさんが啓発
(クリス・ハートさんは、アメリカ合衆国、サンフランシスコ・ベイエリア出身の歌手)
2017年3月10日 (金)配信朝日新聞

 お子さんの風疹ワクチンは2回目も――。風疹予防のためにワクチン接種率を向上しようと、厚生労働省は9日、米国出身の歌手クリス・ハートさんを起用した啓発ポスターを作製し、発表した。クリスさんも発表会に参加、「忘れずに接種を」と呼びかけた。
 風疹は、発熱や発疹などの症状が出るウイルス性の感染症。女性が妊娠初期に感染すると、赤ちゃんが心臓病や難聴などの先天性風疹症候群になる恐れがある。
 ワクチンは現在、定期接種として1歳と小学校入学前1年間の計2回受ける。1回では、感染を防ぐ抗体が十分作られないケースがあるためだ。だが、2015年度の定期接種では1回目の接種率は96・2%だったが、2回目は92・9%で、国の目標である95%以上に届かなかった。
 厚労省は今回、社会貢献活動に積極的で、1歳児の父親であるクリスさんに協力を依頼した。クリスさんは「子どもは大人より体が弱い。ワクチン接種で風疹から守りたい」と話した。(黒田壮吉)
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外国人家事代行4月開始 フィリピンから25人来日

2017年03月13日 17時01分31秒 | 行政
外国人家事代行4月開始 フィリピンから25人来日
2017年3月10日 (金)配信共同通信社

 国家戦略特区の外国人による家事代行サービスを担う人材の第1陣として、人材派遣大手のパソナが雇用するフィリピン人女性25人が9日、来日した。国内研修を経て4月から神奈川県で働き始める。
 成田空港に到着したマリア・デル・バゴさん(37)は「日本に来られてとてもうれしい。フィリピンで日本語とマナーを勉強した。早く仕事をしたい。本当にわくわくです」と日本語で話した。
 バゴさんら25人は約2週間研修を受け、公共交通機関の乗り方や110番のかけ方も学ぶ。その後、パソナが手掛ける家事代行サービスのスタッフと2人一組で顧客宅を回り、掃除などの実際の仕事をする。4月から順次独り立ちしてサービスの提供を始める。
 家事代行最大手のダスキンや教育・介護のポピンズで働くフィリピン人は4月中に来日する見通しだ。
 特区の家事代行サービスは神奈川県のほか、大阪市と東京都で実施される。
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(患者を生きる:3258)依存症 万引き:5 情報編 患者仲間と話し回復図る

2017年03月13日 16時59分26秒 | 
(患者を生きる:3258)依存症 万引き:5 情報編 患者仲間と話し回復図る
2017年3月10日 (金)配信朝日新聞

 窃盗症は経済的に困窮しているわけでもないのに、盗みたいという衝動を抑えられず、盗みをやめたいのにやめられない依存症だ。
 窃盗症患者を多く診ている赤城高原ホスピタルの竹村道夫院長(71)は「万引きは犯罪で、窃盗症であっても本人の刑事責任能力はあると考える」と語る。
 連載で紹介した東京都内の女性(51)のように、患者には摂食障害の人が少なくない。ホスピタルを受診する患者の約3割が摂食障害を併発しており、そのほとんどが20~50代の女性という。
 竹村さんは、摂食障害もある人には「病的な飢餓感から、食べ物など自分の物が減ることへの恐怖があり、物を異常にため込む傾向がある」と説明する。
 昨年7月の法務省の調査では、服役中の女性受刑者3878人のうち、摂食障害の人は180人おり、多くが万引きなどによる窃盗罪で服役していたという。
 また、摂食障害に詳しい自由が丘高木クリニックの高木洲一郎(たかぎしゅういちろう)院長(73)が日本摂食障害学会の医師らに実施したアンケートによると、自身が診る摂食障害の患者が万引きをしたことがあると答えた人は95%だった。高木さんは「すべての患者に当てはまるわけではないが、万引きは摂食障害の症状の一つで、行動制御能力を欠いた状態」とみる。
 いくら刑事罰を受けても、病気が治らなければ再び万引きを繰り返してしまう恐れがある。
 治療はカウンセリングのほか、集団で一つのテーマについて互いの経験を語り合ったり、回復途中の人の経験を聞いたりする。
 患者は自分の生活を振り返りながら、「盗みたい」というゆがんだ認識や衝動が起こるのは、病気が原因であることを理解する。同じ悩みを抱える人と話すことで、新たな対人関係を築いていく。
 家族への支援も欠かせない。
 赤城高原ホスピタルでは、依存症の患者を持つ家族だけが集まる懇談会が定期的に開かれている。
 患者が匿名で参加できる自助グループ「クレプトマニアクス・アノニマス(KA)」の会合が各地で開かれている。赤城高原ホスピタルのサイトには、窃盗症のチェックリストやKAの情報が掲載されている。
 (宮島祐美)
 ■ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comへお寄せください。
    *
 「患者を生きる」は、有料の医療サイト・アピタル(http://www.asahi.com/apital/)で、まとめて読めます。
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中国から持参の生肉、鳥インフル検出 検疫に限界も

2017年03月13日 10時08分16秒 | 行政
中国から持参の生肉、鳥インフル検出 検疫に限界も
小川裕介、香取啓介
2017年3月13日03時00分
高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)が検出された香港から持ち込まれたアヒル肉(動物検疫所提供)

 中国からの渡航者が日本に持ち込もうとして没収された鳥肉から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されていたことが農林水産省動物検疫所などへの取材でわかった。人に感染する可能性は低いが、野鳥などを介してニワトリなどの家禽(かきん)に感染する恐れがある。検疫で没収される畜産物は全体の一部とみられ、専門家は対策強化の必要性を訴える。
 調査は世界的に鳥インフルの流行が近年続いていることから、動物検疫所と北海道大学が共同で初めて実施。2015年6月~今年2月に羽田空港など全国9カ所の空港や港で渡航者の荷物から没収されたニワトリやアヒルの肉や卵など228検体を調べた。その結果、中国の上海、アモイ、香港から成田、中部の各空港に持ち込まれたニワトリとアヒルの生肉3点から、高病原性鳥インフルエンザのH5N1亜型とH5N6亜型のウイルスが見つかった。両ウイルスは中国などで人への感染が確認され死者も出ているが、死んだニワトリなどに濃厚接触したことが原因とみられている。また、中国や台湾、ベトナムから成田、羽田、関西、中部の4空港に持ち込まれたニワトリやアヒルの生肉9点からも低病原性のウイルスが検出された。
 検出されたH5N6とH5N1のウイルスをニワトリとアヒルに感染させると、約9割のニワトリが3日目までに死亡。死んだニワトリの血液を調べると、全身でウイルスが増殖しており、強毒性と確かめられた。遺伝子解析により、中国で流行するウイルスと近縁であることがわかった。
 海外からの肉類の持ち込みは家畜伝染病予防法に基づき、検査証明書がない限り認められていないが、日本で生活する人が帰省した際に本国から持ち帰ったり、土産で持ち込まれたりすることがあるという。さらに日本は現在、中国やベトナム、台湾など鳥インフルの発生が報告される国・地域からの家禽の肉、卵などの輸入を停止している。
 大槻公一・京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長によると、国内で流行する鳥インフルエンザは渡り鳥によって運ばれると考えられており、「携行品で持ち込まれる可能性は想定されていない」と指摘。持ち込まれた肉が屋外に捨てられ、野鳥が触れたり、生肉に触れた人が農場や動物園に行ったりして感染が広がる恐れがあるという。
 一方、海外から渡航者は急増しており、検疫所で没収された畜産物は、中国からを中心に15年は約6万2700件(約83トン)に上り、11年と比べほぼ倍増した。調査にあたった北大の迫田義博教授(ウイルス学)は「すべてを検疫で見つけるのは難しく、今回見つかったのは氷山の一角とみられる。季節に限らず常に持ち込まれているという前提で、防疫対策を進める必要がある」と言う。
 大槻さんは「東京五輪に向けて訪日客が増えることが予想されており、水際対策は重要性を増している。厳しい手荷物検査や探知犬の拡充など検疫を徹底すべきだ」と話している。(小川裕介、香取啓介)
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脱・石油依存模索、サウジ国王来日 日本は商機拡大狙う

2017年03月13日 10時04分44秒 | 行政
脱・石油依存模索、サウジ国王来日 日本は商機拡大狙う
渡辺淳基、下司佳代子
2017年3月12日23時18分
【動画】特別機で来日したサウジアラビアのサルマン国王=飯塚晋一撮影
羽田空港に着き、サウジアラビア側が事前に持ち込んだエスカレーター式のタラップで専用機を降りるサウジのサルマン国王(先頭)=12日午後6時58分、飯塚晋一撮影

 中東の大国サウジアラビアのサルマン国王が12日、来日した。サウジ国王の来日は46年ぶり。サウジは石油依存を脱して経済を多角化する改革を進めている。日本はインフラや医療、再生可能エネルギーなど幅広い分野で協力することで、改革を後押ししつつ日本企業の商機拡大をねらう。
サウジ国王が羽田到着 タラップは特製、高級車もずらり
 サルマン国王は12日午後6時45分ごろ、特別機で東京・羽田空港に到着。サウジ側が事前に持ち込んだエスカレーター式の特製タラップで降り立ち、皇太子さまの出迎えを受けた。
 同行者は王子や閣僚、企業幹部ら1千人を超える見込み。10日から続々と到着し、11日だけで300人以上が着いたという。
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点滴につながれた母が「もういい……」(介護 あのとき、あの言葉)

2017年03月13日 00時40分59秒 | 医療情報
点滴につながれた母が「もういい……」(介護 あのとき、あの言葉)
2017年3月9日15時30分

■「もういい……」

(入院して点滴につながれた母が泣きながら絞り出した言葉)

 2008年の年末、当時71歳だった母が脳梗塞(こうそく)で倒れ、介護生活に入りました。入退院を繰り返すたびに体の状態が悪くなり、歩行器を使えば歩けたのに歩けなくなり、多少出ていた声も徐々に出なくなり、トイレで用をたせたのにオムツになり、口から食べられていたのに胃ろうになり、いまは完全寝たきりに……。
 いつまで続くか分からない介護生活。夫の収入だけではなかなか余裕がなく、貯金も徐々になくなってきました。家のローンや自分たちの老後の不安もあって、母を寝かせた後の深夜、宅配業者の集配センターで週4日アルバイトをはじめました。
 一昨年の夏、1年間待ってようやく特別養護老人ホームへの入所が決まりました。母に対して申し訳ない気持ちもありましたが、これでフルタイムで働ける、ローンや多少の蓄えにも回せる、と少しうれしい気持ちもありました。
 私も深夜のバイトから昼間のフルタイムの仕事に変え、仕事帰りには毎日母の顔を見に特養に寄る、という日々が続きました。
 入所してしばらくすると、母が「よく吐く」と言われ、1週間検査入院させられました。家ではそんなことは一度もなかったのに。さらに昨年5月には、胃ろうのトラブルで出血し、大きな病院へ緊急入院。2週間の入院予定で、炎症が治まったら胃ろう造設手術をするということで、準備として絶食状態が続きました。でも、2週間目を迎えようとした頃に肺炎にかかり、さらに絶食期間が延び、手術日程が決まったころに、再び高熱が……。
 そんな母が入院中、点滴につながれ、鼻から管を入れられながら発した言葉があります。
 「もういい……」
 もうほとんど話せなかったはずの母が泣きながら絞り出した声でした。
 母が本当はどんな思いで発した言葉かは分かりません。ただ、私には入退院を繰り返し、その度に少しずつ機能を失っていき、動けなくて話せなくて食べられなくてもまだ生かされている母が、「もう何もしなくていいから、どうか死なせて」と言っているように思いました。
 いかに苦しまず、いかに楽に死なせてあげることができるのか。私もずっと考えていたこと。でも裏腹に生死の分かれ目に直面するといつも結局助けてしまう私。助かってしまう母。助けてしまったことで母も私もまた大変な日々を過ごすというのに。
 私もこのころは、毎日午後に仕事を途中で抜けて病院で2~3時間過ごさせてもらって、また仕事に戻るという生活が続いていて、心身共にかなり大変でした。
 その後、母は敗血症を起こし、いつ何があってもおかしくない状態に陥りました。
 体中がむくみ、もう目を開けていられない状態の母の顔を見ながら、私は一体何のために介護をしてきたのか、母にこんなつらい思いをさせながら年間300万円程度のお金を稼ぐことにどれだけの意味があるのか、最期にこんなつらい思いをさせるためにいままで介護してきたのか、母の人生をこんな形で終わらせちゃいけない、このまま終わっていいはずがない、と、そんな思いを止められなくなっていました。
 落ち着いた段階で、早急に在宅に戻したい、どうせ死ぬならせめて家で死なせたいと主治医に伝えました。先生も看護師長さんもすぐに対応して下さって、その日のうちに母の在宅に向けてのチームも出来上がりました。とてもいい先生に巡り合えたと今も思っています。そしてパート先にもお願いして仕事を辞め、本格的に在宅介護に戻す準備を始めました。
 退院に向けて主治医が行った最後の治療が功を奏して、落ち着いた状態で退院が出来たおかげか、家に戻ってから、みるみる回復していった母。主治医からは「(昨年の)秋を越えることは難しい」と言われていましたが、呼吸器をつけることもなく、尿道カテーテルも外れ、点滴も外れ、80歳になったいまも自分の力で生きています。「家に帰る」という特効薬の効き目をまざまざと感じています。
 もう母を人の手に委ねようとは思いません。このまま家でみとろうと思っています。でも人間わがままなもので、母が落ち着いたことで、いままた自分の老後の不安がわいてきています。そろそろまた深夜のバイトを始めようかと思っているところです。
 結局どんな状況になっても、日々心の葛藤は続いています。すべてから解放されるまで、自分だけのことを考えて生きるのは難しいです。それに家族も巻き込んでしまったことも本当に申し訳ないと思っています。
 母の「もういい」の言葉は、今もえぐるように私の胸に突き刺さっています。
 すみません、長々と書きました。
◆東京都 主婦(50)
 
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 朝日新聞文化くらし報道部「介護 あのとき、あの言葉」係
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