毎年、この時期になるとお庭に大輪の花が咲きます。
泰山木の花です。
泰山木自体が大きくて、葉も多くて花は高いところに咲いているので、人の目線からは良く見えない。
遠くに離れると大きな花(30cmぐらい)が見えます。
純白のすくっとしたつぼみが、花が咲く様子は「パカッと咲く」そのものです。
花からはほんわり弱いけど、柑橘系のこれも高貴な香りが漂います。弱いと感じるのは泰山木が巨大なので、花が遠いからだと思います。
豪快な30cmの花が咲いて、あっという間に純白から黄ばんだ花弁に変色して落下します。泰山木の花の命は超短い。短命な花です。
熱帯の花なのか、劣化が早いのです。
つぼみは砲弾の形をしていて、いかにも高貴な感じがします。
咲いた花の花弁は分厚くてみずみずしい。それが劣化を早めているのかもしれない。
高貴な花が落下した後のめしべは、それの正反対で野蛮そのもの。
高貴なあとの野蛮な感じの対比が面白い。生々しさを感じる樹木です。
めしべは花弁が落下すると、ほどなくドスンと落ちてきます。
この鉤状のとげが付いためしべ(10cm以上ある)は、きっと猪や野生動物の体毛に絡みつくのだろう。
こんな、高貴で野蛮な木は他にはない。
唯一無二の人間味のある木です。
2017年6月11日 泰山木の花と雄蕊、雌蕊
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