明後日は新宿の白龍館という会場にて、ベートーヴェンを演奏予定で、今日はそのリハーサルに行ってきました。ベーゼンドルファーのコンサート・グランド・ピアノ!久しぶりに弾きながら、決して「力(リキ)んで」はよい音が出てこない楽器だと、あらためて思い知らされました
ピアノのメーカーそれぞれに特徴は千差万別なのですが、僕にとってとても分りやすいベーゼンドルファーの特徴は、ピアノの外周側面を、一枚板で包み込み圧力を集中させるのではなく、板は無理に一枚でなく数枚使って、音を凝縮させるのではなく開放させる、という造りなのだそう
だからベーゼンドルファーの楽器はモデルによっては、外周が角ばっているものが見受けられます。この角が見えると「あぁ、板をつなぎ、音を開放させてるんだなぁ」と思い、実際に音を出すと、そう感じられるような気がしてきました。「力んじゃだめ」な楽器です!
ベーゼンドルファーが、楽器の外周を一枚板で囲わず、数枚に分けて圧力を開放しているならば、奏者は、いくら大きな音や響きを出そうと力任せにしていては、楽器は全然応えてくれないでしょう・・・なぜなら楽器のそもそもの設計が、そういう力に対応していないから!?
力むことなく、ベーゼンドルファーのピアノから響きの豊かな大きな音を出す・・・ 奏者に「余裕」無くして、これを成功させることは出来ないのかもしれません。「余裕を持つこと」が条件だなんて、これは案外なかなか大変な難事!?のようにも思われます!