先日のリサイタルのプログラムは、
ベートーヴェンの初期の名作
《ピアノソナタ8番 ハ短調 作品13“悲愴”》で
幕を開けました。
これに関して、多くの反響があり、
ひとつ「弁明」なぞと銘打って
文章にまとめてみたいと思います。
特に、《悲愴ソナタ》を良く知る多くの方々からの
「冒頭の和音に」驚かれたというご感想が
少なからずあったのです。
和音が長い、長すぎる・・・と。
《悲愴ソナタ》冒 . . . 本文を読む
先日7月27日、津田ホールにおける
日本帰国後初めての東京でのリサイタルを
終えることが出来ました。
会場がほぼ満席になるほどの大勢の方々にお越しいただき、
ご来場の皆さまに心からの感謝の気持ちと、
リサイタルを開催するに当たりご協力いただいた
大勢の方々のお陰様を強く感じております。
この場をお借りして、
皆さまに厚く御礼申し上げます!!
本当にありがとうございました!!
ピアノソロ・リサ . . . 本文を読む
「感受性の海に、具体性の石を投げ込むと、
海は優雅に波打ち始める」
時に、子供の頃から、あるいは大人になっても、
感受性と才能の非常に高い人はいるものです。
子供の頃からの天才(神童)が存在することは、
日本人のわれらが祖先・世阿弥の『花伝書』に
しかと書かれていますので、きっと普遍的な
人間の事実なのでしょう。
そんな人がいたとしたら、
その人にレッスンする立場の人間は、
どのよう . . . 本文を読む
おかげさまで昨日、
横浜市上大岡「ひまわりの郷」ホールにおける
ピアノソロリサイタルを無事終了することができました。
ご来場いただいた大勢の方々!!
本当に、本当にありがとうございました。
暖かい拍手と共に、ホール全体を包み込む緊張感は
ベートーヴェンとショパンの名作を通して
聴者と奏者が共に創りあげた空間であると思うのです。
この意味においても、皆さまに感謝申し上げるのは
当然のこととも思わ . . . 本文を読む
偶然にも、またまたテレビで歌舞伎の俳優の言葉を耳にしました。
残念ながら、今回はこの方のお名前を聞き留めておくことが
できなかったのですが、男性ピアニストのゲルバーに
顔がなんだか似ているようで、普段からお化粧をされているような
お顔の俳優さんでした。
そして、この方の口から出てきた言葉。
「型を知ることで自由になれる」
クラシック音楽のレッスンにおいても、
「型」(=決まりごと?)を . . . 本文を読む
本番前になってくると、暗譜も固まってきて、
音楽の全体を把握できるよう練習を進めていく中で
陥り易い落とし穴があります。
(きっと、いくつもあります。)
そんな中のひとつを、先ほどふと確認することができました。
テンポ(曲の速さ)
テンポの速い曲ほど特に、
必要以上にテンポが速くなっていってしまうのが
多くの場合に見られる傾向のようです。
例えば、
ベートーヴェン《悲愴ソナタ》
第I楽章 . . . 本文を読む
歌舞伎に坂田藤十郎先生という名人がいらっしゃるのですね。
偶然テレビを見ていて、すごい人、すごい言葉の数々を
目の当たりにしました。それらは、
自分の携わる西洋クラシック音楽にも
相通じるものがありましょうか。
例えば、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「型」は先人が自然と作った(出来た)素晴らしいもの、
それをいま一度自分に取り込んで、
「型」が自分のものとなって出て . . . 本文を読む
プレイエルという楽器に触れてみた印象、
具体的には、
●うるさくないダイナミックス・レンジ
下手をすると、「ffが足りない」と思われてしまうかもしれない
音量の幅は、そうした音量の拡大という方向性を求めていない
ひとつのピアノという楽器における美学であると
捉えることができるのではないでしょうか。
プレイエルでショパンの「ff」を弾いてみる・・・
ちょうど良い。心地よい、うるさすぎない!!
. . . 本文を読む
先日書きましたユーロピアノでは、
ベヒシュタインBechsteinの他に、
ドイツ・オーストリア系の楽器ザウターSauter、
そして、
フランス系のピアノ、プレイエルPleyelを
取り扱っていらっしゃいます。
このプレイエル、
あの19世紀のピアノの詩人「ショパン」が愛用したという
ショパンと切っても切れない関係にある歴史深いピアノです。
当時の社長プレイエル本人とショパンとは深い友人関係に . . . 本文を読む
東京は世田谷区の「ユーロピアノ」にて
サロンコンサートをさせていただきました。
http://www.euro-piano-showroom.com/
ヨーロッパの楽器を取り扱っていらっしゃる楽器店さんにて、
今回は古きよきドイツの代表的なピアノ、
ベヒシュタインBechsteinのB型を
演奏させていただきました。
このピアノ、
自分のドイツでの留学生活中、ずっと使っていた楽器、
メーカーも型 . . . 本文を読む
ベートーヴェン最後のピアノソナタ
《ピアノソナタ32番c-moll作品111》の終わりは、
簡素ながらも(であるからこそ!?)
すさまじい緊張感を有しています。
評論家の吉田秀和氏も、どこかの記事で「この後に続く音楽は無い」
ようなことを書いていらしたようにも記憶しています。
20世紀のドイツ音楽の代表的ピアニスト、ケンプが
この曲を演奏したコンサートを聴いた人の話によれば、
演奏が終わり、ケ . . . 本文を読む