まさしく、芸術の偉大さとその必然さとは、
それがより単純な世界の輝き、もっと生の神秘の謎を
手っとり早く解いてくれそうな現象を暗示する点にある。
人生に苦悩する者は何人(なんびと)も
この幻覚なしには生きられない。
たとえば睡眠なしには何人も生きられぬと同じように。
人生を認識することいよいよ至難となってゆくにつれて、
いっそう熱烈に我々はあの単純化への幻覚を欲望する。
たとえ . . . 本文を読む
「ハーモニー」は「科学」である、
と、ふと思いました。
西洋音楽において発展してきたハーモニー、
(↑これは西洋音楽に限定する必要なく、
あらゆる普遍的な「ハーモニー」として捉えることが出来ます)
西洋音楽においてハーモニーには、基本となる三種類
「トニカ」
「ドミナント」
「サブドミナント」
と定義付けられたものがあります。
これらのハーモニー(和声)は、
誰がどう捉え解釈しようとも . . . 本文を読む
20世紀スイス人の作曲家
フランク・マルタン Frank Martin
この人が、真の音楽家であることを示すかのような
彼自身の言葉を見付けましたのをご紹介したく思います。
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作品の中で表される魂、精神、感性、
それぞれの動きがいかなるものであるとしても、
その状態が苦悩、あるいは絶望でさえあったとしても、
我々の内に究極のイデア . . . 本文を読む
音楽するに当たって、
様々な知識を勉強することがあります。
ひとつひとつの知識や情報、専門用語
例えば具体的には、
「導音」「第7音」「第9音」といった行き先が自然と決まっている音達、
「倚音」「掛留音」などの魅力ある和声外音、
「ナポリの6」「ドッペルドミナント」などの魅力的な和音、
などなど・・・挙げればまだまだ一杯出てくると思います。
これらのクラシック音楽における知識、
しかしそ . . . 本文を読む
某少年は幼少をヨーロッパで過ごしました。
10代前半の頃、
パリのシャンゼリゼ劇場にて、
あるコンサートに出かけ(←連れて行かれ!?)
そこのロビーにて、ある夫人に会いました。
父から紹介されたのは、この方は、あの大ピアニスト、
ルビンシュタインの奥様でいらっしゃるとのこと・・・!!
少年とて、もちろんルビンシュタインの名を知らないわけはありません。
そして少年は、勇気を振り絞って、夫人に . . . 本文を読む
1980年代、
ピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテル氏のミラノ・コンセルヴァトゥーリオでのコンサートの話。
リヒテル氏が会場へ到着したのは開演時間10分過ぎ。(←すでに遅刻、笑)
そして氏はなんと楽屋で、コンタクトレンズを落としてしまったと・・・
その日の担当調律師である父は、先生と一緒に楽屋の床に這いつくばり、
コンタクトレンズを探し回る・・・なかなか見付からない・・・
探し続け . . . 本文を読む
オペラ座の経営・・・
「金食い虫」とも呼ばれる「オペラ」・・・
考えてみれば、想像を絶する大変な経営なのではないでしょうか!?
ヨーロッパには昔から
各都市や町に、無数のオペラハウスが存在しています。
そんなオペラハウスは、いつも経営が順調であるはずもなく・・・!?
父曰く、
時にオペラ座が大きな赤字、経営難に陥ったときには
ある常套手段があるというのだそうです・・・
そんな時 . . . 本文を読む
昨日の演奏会は特別なものでした。
オーケストラとの共演、ピアノ協奏曲の演奏。
プログラムはモーツァルト作曲《ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488》
神童を越えた真の天才となったモーツァルトの
最高の音楽のひとつといって過言ではない作品です。
この曲を演奏できる機会をいただけることの有難さを
昨日のコンサート終わって今なお(いや、今だからこそ!?)
強く実感しております。ゆえに記事 . . . 本文を読む
物事を極めんとする道において・・・
修学時には、無意識に出来るようになるまで訓練し、
そしてしかし、自動的にその事が出来るようになったならば、
今度はそれを精鋭な意識化にもってくるという段階がやってくるような気がしました。
♪ . . . 本文を読む
エドウィン・フィッシャー著『音楽観想』より抜粋
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誰かに対して、なにか特別の好意を示してあげたいと思うときには
いつも、わたくしは、ピアノに向かってその人のために
モーツァルトの作品を一曲演奏するのがつねである。
それに、いま、
モーツァルトについて何か書けという注文なのだ。
まるで、わたくしの大好きな人に向かって、
その人へのわたくし . . . 本文を読む
当たり前のようなことなのですが、
考えてみると、ピアノ弾きにとっては案外重大な問題なのかもしれません。
それは、「ピアノの鍵盤の形」
基本的に、今日のピアノの鍵盤の数は88鍵、
それはどのピアノも同じ、ところが、
「鍵盤の形」というもの・・・よくよく観察してみると、
個体差が少なからずあるようなのです。
例えば特に気になるのは「黒鍵」でしょうか。
幅(太かったり、細かったり)や
表 . . . 本文を読む
【和声における新発見!?】(←当社比)
ということで、
和声についてひとつ考えてみました。
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ハ長調C-Durとして、
主調トニカは、「どみそ」。
下属調サブドミナントは、「ふぁらど」。
これを第二展開形にすると、『どふぁら』。
今度は、上記の主調トニカを46に上方変異させると、これが『どふぁら』。
(「46」とは、第3音「み」と第5音「そ」 . . . 本文を読む