またもや引き続き、作曲家同士の比較、影響関係を見てみようかと思います。
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ショパンの《ノクターン(夜想曲)》、
彼独特のこの世のものとは思えないような美しい音楽で、
18曲(遺作を含めるともう少々)ある立派なジャンルと成ります。
このジャンルにおけるショパンの後期の作として、最後の2曲
《ノクターンop.62-1 H-Dur》と《ノクターンop.62-2 E-Dur》が
挙げられ . . . 本文を読む
ベートーヴェンの最後のソナタ《op.111》
そしてショパン後期の作《幻想ポロネーズ》
この両者が「ただごとならぬ」音楽であることを、
我々は人間として感じずにはいられないであろう
ということを先日は書いてみようと試みました。
ここではもうひとつ、
今の自分に考えられる限りのこの「ただごとならぬ」
両作曲家、両作品に共通する音楽の姿を
文章に表すことが出来るかどうか、
さらに試みてみようと思い . . . 本文を読む
最近はあんなこんなで、
リストの《ソナタh-moll》の思わぬ影響から
ショパンの《幻想ポロネーズ》の方にも目が向くこととなり、
すっかりこちらの曲にも熱が入ってしまったのですが、
今日の発見、
いや以前から、この後期ショパンの音楽に
「ベートーヴェンの影響」を色濃く見ることができるなぁと
考えてはいたのですが、
やはり、その考えは間違ってはいなかったかと
今日は確信するにいたったのでした。
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先日の記事を書いて後、
F.リスト《ソナタh-moll》を弾いてみているのですが、
この充実度の高く興味深い音楽を突き詰めていきながら、
巡り巡ってついにはある他の作曲家達へとたどり着いて
しまった過程がなんだか面白く、
ひとつ、
そんな様子を書いてみようかと思いました。
その前に、
ピアノの詩人ショパン、巨匠リストの二人の対比的な性格を
端的に現している文章をひとつ添えさせていただきたいと思 . . . 本文を読む
ピアノのソロの演奏を聴いてきました。
19世紀のピアノ演奏超絶技巧の権化、そして
大いなる音楽家・作曲家であったフランツ・リストの
《ソナタh-moll(ロ短調)》
単一楽章のソナタでありながら、
演奏時間は40分を超える長大なもの、ピアノ・ソロの楽曲として、
非常に大きな部類に入ると言えるでしょう。そして
絶対音楽・器楽曲としてのリストの力作と考えることもできそうです。
それにしても . . . 本文を読む
先日から引き続き、メトロノームについて考えてみます。
ここでは、
「ベートーヴェンとメトロノーム」をキーワードに
話を進めてみようかと思います。
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メトロノームの登場は、
1817年、Merzlという人の発明によるらしいのですが、
(時期的にはベートーヴェンでいうと後期)
ベートーヴェンはこれを評価し、翌年にはヴィーンの
『一般音楽新聞』に、サリエリと連名でこの器具の優秀性を
. . . 本文を読む
メトロノームを使って練習していて、
ふと考えました。
音楽の自然な伸び縮みがあることは否定しがたく、
どんな時でも杓子定規にメトロノームの機械的なテンポ感に
音楽が追従する必要はないと思われます。
だからといってメトロノームが不要である、
という極論に走る必要も全くないでしょう。
ようは、使い方しだい、ということでしょうか。
ここでひとつ、
今の自分の考えうるメトロノームの有効な . . . 本文を読む
先日、9月23日、
おかげさまで、
ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会を
完結することが出来ました。
あれからもう一週間も経ってしまいました。
時が経つのはあまりに早いものと感じる一週間、
演奏会を終わって
茫然自失、
抜け殻のようになっていた・・・
と言えば、もっともらしいのですが、残念ながら
事実はそうでもなさそうなのです。
日本からのコンサートへの来客もあり、演奏会終了後は
彼ら . . . 本文を読む