ブラームスは晩年において、
いったん筆を置いた後、
再び創作意欲に駆られて、
いよいよ最後となる創作期を経たそうです。
その中には、クラリネットのための音楽が多いのですが、
幸運なことに我々ピアノ弾きにとっては、
《クラリネット・ソナタop.120》ではピアノ・パートを担うことで
その恩恵にあずかることができるとともに、さらには、
ピアノ独奏曲の一連の作品群があることを、
さらに大きな幸運と言 . . . 本文を読む
いやはや・・・
お酒が入ると、人間、とんでもないことを
考えることがあります。
僕は、幸か不幸か?そこまで
酒の強いほうでもないのですが、
ほどほどに飲むのはすき、そして
飲みすぎてしまっても、記憶を失ったことは今まで
ありません・・・(これが、とっても苦痛なのです!!
だって、頭は割れるように痛いのに、それを
意識は失うことなく、その苦痛を味わい続ける・・・)
そんな酔いの回ったある日、
. . . 本文を読む
ふと、
面白いことを思い出しました。
以前、草津音楽祭にて
日本古来の文化芸能「お能」と西洋クラシック音楽を融合した
催し物(たしかオペラ「高山右近」という演目だったか)が
上演されたのですが、その際、
能役者さんの舞台の出入り口となる幕の上げ下げを
勤めさせていただいたことがありました。
難しくないものだから、誰でもよかったのだそうです。
貴重な経験をさせていただきました。
今、ふと思 . . . 本文を読む
ずっと以前、こちらにブログを書き始めたばかりの頃、
ベートーヴェンの至高の名作、
《ピアノソナタ第23番 ヘ短調 op.57“熱情”》を
ビッグバンに例えたことがあったと記憶しています。
“熱情ソナタ”を公に演奏したのは、
ベートーヴェン《ピアノソナタ》全曲演奏会の初回、
今からもう2年以上も前のこととなります。
そして今回、“クロイツェル・ソナタ”を勉強しながら、
再び、あの頃の、“熱 . . . 本文を読む
(つづき)
この《クロイツェル》の第I楽章と、
《ピアノ・ソナタ“熱情”》の第I楽章とには、
類似性・相互関係が見え隠れして仕方がありません。
例えば、
提示部において、両者は
巨大なソナタ形式の様相を呈しています。
●第Iテーマに続き、
●今までと雰囲気の違った長調の第IIテーマが現れ、
さらには
●第IIIテーマと言っても過言ではないような
(普通のソナタ形式では第2テーマまでしかあり . . . 本文を読む
今週金曜日の大阪でのコンサートに向けて、
(2008年10月17日(金)19:00 大阪倶楽部4階ホール)
http://music-kansai.net/manage04.html#info6
ベートーヴェンの《ヴァイオリン・ソナタ第9番“クロイツェル”》
を準備中なのですが・・・
私にとって今回が初となる“クロイツェル”、
この大きな作品を前にし、まさに
「興奮」と「感動」と、それから「必死 . . . 本文を読む
ちょっと変なことを思いつきました。
よく、日本人は「三拍子」があまり
上手ではないという話を耳にすることがあります。
別にちゃんとした根拠があるわけではないのですが、
なんとなく、
そう言われればそんな気もしなくはありません。
「盆踊り」や「演歌」などは、
そのほとんどは「四拍子」や「二拍子」などの、
偶数拍子系の音楽なのではないでしょうか。
「三三七拍子」といっても、よく音を解析して . . . 本文を読む
teneramente(テネラメンテ)
優しく、愛情深く
という意味の音楽用語。
ベートーヴェンの《ピアノソナタ》のジャンルにおいては、
この「teneramente」が最初に使われたのは、
《ソナタ第27番 ホ短調 op.90》の第2楽章においてです。
さらに続いてこの「teneramente」が出てくるのは、
このソナタから約6年後に書かれた
《ソナタ第30番 ホ長調 op.109 . . . 本文を読む
↓(ロマン・ロラン著(吉田秀和訳)『ベートーヴェン研究 II 復活の歌』より)
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「1801年の手紙以来、
彼(ベートーヴェン)は、
とりわけ、J.S.バッハについて、
自分を感激させるものが何であるかを
はっきり見きわめていた
――それはつまり、和声なのだ・・・・・
『Die hohe grosse Kunst dies . . . 本文を読む
●バッハ 《ロ短調ミサ曲》
を歌いながら、バッハ自身による楽語表記が非常に少ない楽譜を見ていると、
そんな中から時おり、スラーが目に飛び込んでくることがあります。
《Kyrie eleison》
《Christe eleison》
《et in terra pax》
《qui tollis peccata mundi》
《dona nobis pacem》
楽譜に書き込む . . . 本文を読む