歌曲《さくら横町》の再現部↓
これまでこちらで書いて参りました《さくら横町》追跡では、
主に「小節周期」が視野に入ることが多かったのですが、
そんな観点からこの再現部を見てみましても、
面白いことが浮かび上がってきそうです。
今まで不規則に【4・3小節】の混合された
小節周期が、この音楽を聴くうえで、
どことなく止め処ない魅力を発してきました。
それが、ここ再現部においては、
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歌曲《さくら横町》の再現部、
と、
ちょっとその前に、
この再現部へ戻る寸前の魅力なところについて
触れさせてください。
全部で【3小節】のピアノの間奏は、
前回の記事で取り上げました「ほほえんだ夢のふるさと」【3小節】を
追随するような役割をもっているのかもしれません・・・
http://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/dfff55966100a650 . . . 本文を読む
歌曲《さくら横町》(中田喜直作曲)
中間部「B」の後半部分へと続いてみてみましょう。
●「あぁ いつも 花の女王」【4小節】、
ここで注目すべきは、
「花の女王」と歌われながら、
ピアノは「ヘミオラ」のリズムで
流麗に音を奏でるところにあります。
(★ヘミオラhemiolaとは、3拍子のこの曲の場合、「3拍」毎に進んでいた音楽が、突如として「2拍-2拍-2拍」と今までと違う動きをもつ特 . . . 本文を読む
引き続き、歌曲《さくら横町》に
自分なりに迫ってみたいと思います。
曲はその後も、変幻自在に小節周期をかえてゆきます。
まるで、
風に散る桜の花びらの
予想もつかない無造作な動きのよう?
あるいは、
「ここにゐない」「君」を思う
揺れ動く心の機微が、音楽に反映されて
いるのかもしれません。
情緒溢れる美しい情景は、
音となって我々の耳に染み入ってきます。
我々日本人の感性をすれば、
こ . . . 本文を読む
前回の記事に続いて、
歌曲《さくら横町》の魅力を探ります。
この音楽の、
「偶数のみで進まない不安定な小節周期」も、
この音楽の不可思議な色気を醸し出す要因と
なっているのではないでしょうか。
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●冒頭の前奏は【4小節】、
と、これは普通。4小節周期の
聞き馴染みある音楽が予想される前奏といえましょうか。
●「春の宵 さくらが咲く」
までが、歌詞の途中ではありますが、
ピアノの伴 . . . 本文を読む
ドイツ留学の最中、
多くの日本人歌手(←クラシック音楽)のコンサートがあると、
この《さくら横町》(中田喜直作曲、加藤周一作詞)が歌われていました。
異国の地に身を寄せる日本人にとって、
この音楽は深く心に染み入りました。
あぁ、なんて美しい音楽なんだろう・・・と。
「春の宵、さくらが咲くと~」
と歌われた時点で、背筋がゾクゾクして、
自身が感動に包まれているのを感知するのです。
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お蔭様で、先日の大倉山記念館における
フルート・ピアノ・デュオ・リサイタルを
終えることができました。ご来場くださいました皆様、
暑い中、傾斜の厳しい坂道をのぼっていらしてくださり、
本当に、どうもありがとうございました。そして、
今回はあまり大きくはない会場ゆえに
券が売り切れてしまいご来場いただけなかった皆様には、
大変申し訳なく、しかし、今後とも色々とがんばって
ゆきますので、ご支援・ご声 . . . 本文を読む
「旅に病んで 夢は枯野をかけ廻る」
日本における代表的な文芸のひとつである俳句の巨匠、
松尾芭蕉が最後に詠んだ句・・・
久しぶりにこの言葉を耳にし、
思わず、ここ数年かけて取り組んできた
クラシック音楽のレパートリーのいくつかが、
まるで呼応したかのように、聴こえてきました。
たとえば、ベートーヴェン最後のピアノソナタ群は、
この「句」を「音楽」として耳にすることができるのではない . . . 本文を読む
前回から、「トリル(tr.)」の演奏方法について
トリルの始まりを「上から」弾くのか「下から」弾くのか、
作曲家それぞれのケース・バイ・ケースで考察中ですが、
さて、
今度はショパンの場合を見てみたいと思います。
ショパンは、19世紀のロマン派を駆け抜けた
「ピアノ弾きの、ピアノ弾きによる、ピアノ弾きのための音楽」
を多々書き残してくれた偉大な作曲家ですが、
彼の作品の一つを垣間見てみましょう . . . 本文を読む