音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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(続き5)◆《さくら横町》に魅せられて ~ 再現部は【4小節周期】

2008年07月29日 | 中田喜直《さくら横丁》
歌曲《さくら横町》の再現部↓ これまでこちらで書いて参りました《さくら横町》追跡では、 主に「小節周期」が視野に入ることが多かったのですが、 そんな観点からこの再現部を見てみましても、 面白いことが浮かび上がってきそうです。 今まで不規則に【4・3小節】の混合された 小節周期が、この音楽を聴くうえで、 どことなく止め処ない魅力を発してきました。 それが、ここ再現部においては、 . . . 本文を読む
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(続き4)◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月25日 | 中田喜直《さくら横丁》
歌曲《さくら横町》の再現部、 と、 ちょっとその前に、 この再現部へ戻る寸前の魅力なところについて 触れさせてください。 全部で【3小節】のピアノの間奏は、 前回の記事で取り上げました「ほほえんだ夢のふるさと」【3小節】を 追随するような役割をもっているのかもしれません・・・ http://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/dfff55966100a650 . . . 本文を読む
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(続き3)◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月21日 | 中田喜直《さくら横丁》
歌曲《さくら横町》(中田喜直作曲) 中間部「B」の後半部分へと続いてみてみましょう。 ●「あぁ いつも 花の女王」【4小節】、 ここで注目すべきは、 「花の女王」と歌われながら、 ピアノは「ヘミオラ」のリズムで 流麗に音を奏でるところにあります。 (★ヘミオラhemiolaとは、3拍子のこの曲の場合、「3拍」毎に進んでいた音楽が、突如として「2拍-2拍-2拍」と今までと違う動きをもつ特 . . . 本文を読む
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(続き2)◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月21日 | 中田喜直《さくら横丁》
引き続き、歌曲《さくら横町》に 自分なりに迫ってみたいと思います。 曲はその後も、変幻自在に小節周期をかえてゆきます。 まるで、 風に散る桜の花びらの 予想もつかない無造作な動きのよう? あるいは、 「ここにゐない」「君」を思う 揺れ動く心の機微が、音楽に反映されて いるのかもしれません。 情緒溢れる美しい情景は、 音となって我々の耳に染み入ってきます。 我々日本人の感性をすれば、 こ . . . 本文を読む
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(続き)◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月19日 | 中田喜直《さくら横丁》
前回の記事に続いて、 歌曲《さくら横町》の魅力を探ります。 この音楽の、 「偶数のみで進まない不安定な小節周期」も、 この音楽の不可思議な色気を醸し出す要因と なっているのではないでしょうか。 ↑ ●冒頭の前奏は【4小節】、 と、これは普通。4小節周期の 聞き馴染みある音楽が予想される前奏といえましょうか。 ●「春の宵 さくらが咲く」 までが、歌詞の途中ではありますが、 ピアノの伴 . . . 本文を読む
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◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月18日 | 中田喜直《さくら横丁》
ドイツ留学の最中、 多くの日本人歌手(←クラシック音楽)のコンサートがあると、 この《さくら横町》(中田喜直作曲、加藤周一作詞)が歌われていました。 異国の地に身を寄せる日本人にとって、 この音楽は深く心に染み入りました。 あぁ、なんて美しい音楽なんだろう・・・と。 「春の宵、さくらが咲くと~」 と歌われた時点で、背筋がゾクゾクして、 自身が感動に包まれているのを感知するのです。 . . . 本文を読む
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◆織田裕二氏に「俳優の鑑」を見る

2008年07月15日 | その他
お蔭様で、先日の大倉山記念館における フルート・ピアノ・デュオ・リサイタルを 終えることができました。ご来場くださいました皆様、 暑い中、傾斜の厳しい坂道をのぼっていらしてくださり、 本当に、どうもありがとうございました。そして、 今回はあまり大きくはない会場ゆえに 券が売り切れてしまいご来場いただけなかった皆様には、 大変申し訳なく、しかし、今後とも色々とがんばって ゆきますので、ご支援・ご声 . . . 本文を読む
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◆芭蕉の最後の句と、クラシック音楽の巨匠達の作品

2008年07月09日 | 音楽(一般)
「旅に病んで 夢は枯野をかけ廻る」 日本における代表的な文芸のひとつである俳句の巨匠、 松尾芭蕉が最後に詠んだ句・・・ 久しぶりにこの言葉を耳にし、 思わず、ここ数年かけて取り組んできた クラシック音楽のレパートリーのいくつかが、 まるで呼応したかのように、聴こえてきました。 たとえば、ベートーヴェン最後のピアノソナタ群は、 この「句」を「音楽」として耳にすることができるのではない . . . 本文を読む
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(続)◆tr.(トリル)は下から?上から?ショパンの場合

2008年07月03日 | ショパン Frederic Chopin
前回から、「トリル(tr.)」の演奏方法について トリルの始まりを「上から」弾くのか「下から」弾くのか、 作曲家それぞれのケース・バイ・ケースで考察中ですが、 さて、 今度はショパンの場合を見てみたいと思います。 ショパンは、19世紀のロマン派を駆け抜けた 「ピアノ弾きの、ピアノ弾きによる、ピアノ弾きのための音楽」 を多々書き残してくれた偉大な作曲家ですが、 彼の作品の一つを垣間見てみましょう . . . 本文を読む
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