ルバート(Rubato)について考えてみました。
音楽をより一層魅力的にさせる美味しい要素のひとつです。
ルバートとは言ってみれば、
規則正しいリズムに、ある種の「揺れ」が生じることをいうと思うのですが、
これが決まると、とっても美しいうたが、音楽が立ち現れます。
とはいえ、
これがなかなかのクセモノ、
「し過ぎ」ても、その効果は薄らいでしまいますし、
「しなさ過ぎ」ても、音楽が無味乾燥な印象 . . . 本文を読む
ベートーヴェン最後の《ソナタ32番op.111》II楽章“Arietta”と
ショパン《幻想ポロネーズop.61》のアイディアの相似について
先日に書きました。
では、
この記事の題名にもあるベートーヴェン最後から二番目のソナタ
《ソナタ31番op.110》の影響は、《幻想ポロネーズ》のどこに見られるのでしょう?
今の自分が思うに、両者の曲の終わり方に、
似たようなアイディアを望むことができ . . . 本文を読む
ショパン《幻想ポロネーズop.61》を弾いていて思いました。
以前にも書いたことがあります、この後期のショパンの作品に
ベートーヴェンの後期の作品群とそのアイディアが垣間見れることは、
以前から考えていたことでした。それが、さらに一歩、
具体的に目の前に迫ったような感があるのでした。
ショパン、晩年の作《幻想ポロネーズ》に
ベートーヴェン、最後のピアノソナタ《32番op.111》II楽章“A . . . 本文を読む
ショパンの音楽について、
その当時、彼が名を成し始めたばかりのころ、彼の音楽が
「斬新な、これまでにない和声法に基づき、
賛否両論が展開された」そうです。
ところが、この「斬新で、これまでにない和声法」??
自分にとって、これがいまいち納得できなかった・・・のです。
なぜなら、
ショパンの音楽、彼が幼少のころから触れてきたという
J.S.バッハ、モーツァルトなどの実に自然な
「S-D- . . . 本文を読む
先の《ダンテ・ソナタ》に引き続き、今度は
《ソナタ h-moll(ロ短調)》を聴く機会に恵まれたのですが、
先日来《ダンテ》の世界にすっかりのめり込んでしまった後で
こちらの《h-mollソナタ》のほうを聴くと、ふと、
「あれ??音楽的な内容・物語は、ダンテと同じ!?」
なぞと思ってしまったのでした。すなわちこちらも、
「天と人と地獄」との壮絶な物語のように聴こえてきた・・・
詳しい曲のアナ . . . 本文を読む
本 文 リスト作曲、《巡礼の年 第二年》より
《ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲》を聴く機会に恵まれ、
この音楽の物語が自分の中でひとつのまとまりをみたような気がして、
想うがままを書き綴ってみようかと試みます。
ちなみに私は、この音楽の作曲に至る契機となったと言われる
ダンテ『神曲』を読んだことも、その詳しい内容も
恥ずかしながら知らずにいます。ただ巨匠リストの作品、
俗称《ダン . . . 本文を読む
楽譜とにらめっこをしていて、演奏不可能な指示に出会う・・・
そういうことがありませんか?
例えば、
ピアノという楽器の特性上、一度出してしまった音を
再び音量を増してクレッシェンドさせることは不可能です。
ところが、
ピアノの作品において、例えば、長い音符上に
クレッシェンドの指示があることが、あるんです。
しかも、れっきとしたピアノストでもある作曲家の作品において。
ぶっちゃけて言ってしま . . . 本文を読む