音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

(つづき)ショッキングな音楽会 【イヴォ・ポゴレリッチ、ラフマニノフ《ピアノ協奏曲》】

2006年08月30日 | 音楽(一般)
唐突なアクセント。 楽譜とまったく違ったダイナミクス。 普段全く聴いたことのないような旋律。 ソロになったとたんに、完全にテンポ感を失う自由さ。 気違いの沙汰としか考えられない、破滅的な・破壊的な演奏である。 それでいて、時にとてつもなく澄んだ美しい音を奏でる・・・ 演奏中、しばらく考えあぐねて、 ようやくポゴレリッチのしている音楽を紐解く 一つのアイディアにたどり着いたとすれば、それは、 . . . 本文を読む
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ショッキングな音楽会

2006年08月29日 | 音楽(一般)
昨晩、あるひとつのコンサートへと出かけ、 それはあまりにショッキングな演奏会でした。 「ショック」とは、単にネガティブな意味での批判ではなく、 演奏について、音楽について、芸術について、 そして人間について、色々と考えさせられたことを意味します。 ここにおいて、批評家を気取るつもりは毛頭無いのですが、 この貴重な体験を、自分のためにも、ひとつ文章にして残してみたい と思い、試みてみました。 . . . 本文を読む
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(つづき2)ベートーヴェン《後期3ソナタ》はお互いに深い密接関係

2006年08月27日 | ベートーヴェン Beethoven
さらに引き続き、ベートーヴェン《後期ソナタ》の類似性について 書いていきたいと思います。 ◇◆◇◆ ●ベートーヴェンの音楽において、特徴的とも言える 「長いTriller(トリル)」をいくつもの作品に見ることができましょう。 最後のソナタ《32番op.111》の終楽章、前々回ご紹介しましたよう 自由な変奏へと移り変わるところでは、高音部の長い長い「Tr.」が 非常に印象的に鳴り響き続けま . . . 本文を読む
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(つづき)ベートーヴェン《後期3ソナタ》はお互いに深い密接関係

2006年08月26日 | ベートーヴェン Beethoven
引き続き《後期ソナタ》の類似性を見ていきたいと思います。 ◇◆◇◆ ●調性的な類似を観ていきますと、 先日の記事に挙げました引き続き、 《ソナタ31番op.110》の箇所(56小節、再現部)は、 ソナタ形式の基本通り、元調の「As-Dur(変イ長調)」となって 戻ってきますが、しばらくして、特異な転調を経て、 ややこしい言い方をしますと 「短調サブドミナント(下属調の同名調)の平行調」である . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《後期3ソナタ》はお互いに深い密接関係

2006年08月25日 | ベートーヴェン Beethoven
ベートーヴェン最後のソナタ《32番op.111》を練習しながら、 その前の二作品《ソナタ30番op.109》と《ソナタ31番op.110》との 類似箇所が多々あることに気付き、これらの三作品の お互いの密接しあった深い関係を見たような気がするのです。 それは ◆調性的なものであったり、 ◆類似の音型であったり、 ◆Triller(トリル)の扱い方であったり、 そうした具体的なこれらの音楽作品の . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《ピアノソナタ“悲愴”》にみる「生と死」

2006年08月20日 | 《8番op.13“悲愴”》
ベートーヴェン《ソナタ8番“悲愴”》III楽章、 今まで無意識に使用していたPedalを意識的に少なくする練習で、 余計な残響とペダルの使用によるメロディーの和音化を阻止した結果 見えてきたのは、明瞭化された「声部達の動く様」でした。 左手の伴奏はうねる波のようでもあり、 右手の単旋律はひとつの「うた」のようです。しかし、 ふと現れる「別の声」(第28小節)が、この音楽に現れる登場人物が 一 . . . 本文を読む
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《悲愴》I楽章冒頭、ペダルの使い方

2006年08月16日 | 《8番op.13“悲愴”》
先日の日記でも触れましたが、 ベートーヴェンの音楽におけるペダルの使い方が、 物理的な音響としての効果と、音楽の内的なものの両者に非常に密接して いると、最近ではさらに一層強く感じるようになっています。 (「ペダルの問題」は、ベートーヴェンのピアノソナタに限らず、 ありとあらゆるピアノ曲に関わる大問題と言えましょうか) ペダルに関する最近の新たな発見を思い返してみますと、 師匠からのレッスンを思 . . . 本文を読む
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(追加)《悲愴》I楽章冒頭「fp」 ― シントラーの証言

2006年08月15日 | 《8番op.13“悲愴”》
困ったことになりました・・・・先日の日記の内容を、 撤回させなければならない事態となってしまうかもしれません・・・。 こちらの画像は、師匠K.Schilde先生の直筆、 日本中のSchilde門下なら(!?)皆心当たりのある 「シルデ・ノート」を写したものです。 (許可無くこんなことをして、許されるのだろうか・・・ まぁしかし、きっと師匠も自分のレッスン内容が、 音楽を愛する多くの方々の目に . . . 本文を読む
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(つづき)《悲愴》I楽章冒頭「fp」

2006年08月14日 | 《8番op.13“悲愴”》
「Grave」という重々しいテンポに乗ったこの冒頭の悲劇の始まりを 告げるような和音は、実音符以上に長く伸ばして演奏されるべきもの、 と師匠K.Schilde先生はおっしゃっていました。 印象の深いこの冒頭の和音を効果的に奏でるためには、音量・音質と共に ある程度の時間を必要とするということなのでしょう。 とはいえ、気をつけなければならないのは、奏者の勝手で 倍も長い時間を取ってしまうと、全く . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《悲愴》I楽章冒頭「fp」

2006年08月14日 | 《8番op.13“悲愴”》
I楽章のc-moll(ハ短調)の冒頭の和音は、曰く付きといえましょうか。 どんな曰くかというと、 作曲者による冒頭の「fp」の指示が、弾くものをなんとも戸惑わせます。 なぜなら、 ピアノという楽器は構造上、一度音を鳴らしてしまうと その後の鍵盤上での音量のコントロールは、基本的には不可能となります。 よって、この冒頭の和音を「f」で力強く鳴らした後に 「p」に落とすことは、物理的には基本的に . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《ソナタ8番op.13“悲愴”》

2006年08月13日 | 《8番op.13“悲愴”》
超有名曲!?ベートーヴェンのピアノソナタの中でも 抜群の人気を誇るらしい 《ピアノソナタ8番op.13 c-moll(ハ短調)“Pathétique(悲愴)”は、 次回のピアノソナタ全曲演奏会(最終回)の冒頭を飾る予定の 曲となっております。 この曲の音楽的内容を、 ベートーヴェンという大作曲家の一連の作品群として見たとき、 この《悲愴ソナタ》はまだ若かりしベートーヴェンにおける、 . . . 本文を読む
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(つづき)ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏を振り返ってみて

2006年08月12日 | Beethovenピアノソナタ全曲演奏
一人の作曲家、しかもベートーヴェンという 西洋クラシック音楽のジャンルにおいて大きなキーパーソンとなる この大作曲家の作品の一群を知り得た事は、この音楽のジャンルで やっていこうとする人間にとって、何にも変え難い大きな糧と なるのだと思います。 ベートーヴェンの音楽を知ることは、すなわち彼の後世に続く シューベルト、シューマン、ブラームス、リストなど (ここに挙げたロマン派の彼らは皆、ベート . . . 本文を読む
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ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏を振り返ってみて

2006年08月11日 | Beethovenピアノソナタ全曲演奏
残り一回のコンサートを控えた ソナタ全曲演奏会のツィクルスを思い返し、 今までの8回という、自分にとって今までにやったことのない 速いペースと膨大な量のコンサートをこなしてみたものの、 時が過ぎ去ってみると、なんとも途方に暮れた奇妙な気分でいました・・・ しかし、これではいかん、 せっかくの努力をもっと有意義なものにせねばと思い立ち、 ひとつまじめに気持ちの整理を心がけてみて、このツィクルスを 振 . . . 本文を読む
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指使い(つづき)- Henle版の指使いに疑問!?

2006年08月04日 | 音楽(一般)
(前置き) もしも、Henle関係者の目に触れたら、 あまり良い印象ではない日記の題名となってしまいましたが、 しかし、 良心と誇りある、世界的クラシック音楽出版社であることを信じ、 使用者の声に真摯に耳を傾け、さらなる努力を払う懐の深さを 持ったHenleであることを信じ、ひとつずけずけと(!?) 書いて みたいと思います。 (補足)自分の使っているHenle版《Beethov . . . 本文を読む
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指使い

2006年08月04日 | 音楽(一般)
「指使い」は、 ピアノを弾く者にとって技術的・音楽的の両面において 大きく関わる非常に重要な問題であることに、異論はないと思います。 次回9月のコンサートに向けて、 ベートーヴェン《ピアノソナタ26番op.81a“告別”》の準備に入ったのですが、 この曲は、 以前、現在のドイツ留学の門出となる、数年前の日本での 最後のリサイタルで弾いた曲でもあり、まぁ、 いってみれば自分にとっては「お古」の曲な . . . 本文を読む
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