あまりに当たり前なことの気もするのですが・・・
しかし、
「当たり前」「自明の理」と言われるものには、
実に深みのある面白さが介在している気もするので、
書いてみたいと思うのです。
音楽においては、
ほとんどの場合、メロディーや、和音など、
ハーモニーは移り変わりゆくものです。
専門的には、
それらの和音の変遷などは説明のつくものでもあります。
(基本的には、トニカ・主調、ドミナント・ . . . 本文を読む
ショパン作曲《スケルツォ第2番 作品31》の冒頭。
両手で奏でられる不気味なユニゾン。
(ショパン自身が自分の生徒に「死者の館のように」と語ったのだそうです・・・)
この大曲(単品で10分前後は大きい部類に入るでしょう)の
始まりの緊張感ある出だし、テンポは「Presto」、
しかもpp(ピアニシモ)の速い連符・・・
なんともいえず難しいのは
弾いたことのある人共通の悩み・・・と思います。 . . . 本文を読む
本番・舞台とは緊張し、あがるものです。
というわけで、
「緊張しないためには」という風には
あまり考えない方が良いのだそうです。
本番・舞台とは、
大勢の人前に立つということ。
これ、日常にはない
尋常の事ではない状態です。
よって、
緊張し、あがるのは
当たり前、自然なことなのです。
というわけで、問題は、
舞台の上で本番、いよいよ緊張して
演奏がうまくいかなくなってしまうかもし . . . 本文を読む
クラシックの音楽家は、
なんだか、きっと、常に、誰しもが
なにがしかのコンプレックスを抱いているような気がします・・・
(ま、音楽家に限らず、
あらゆる人間、皆同じようにも思われますし)
でも、ふと思いました。
もしかすると、
「音楽家は、ヴィルトゥオーゾ(超絶的)でなければならない」
とする先入観なり常識が、
音楽家達を苦しめていないだろうか!?と・・・
そしてそれは、本当に正しいのか . . . 本文を読む
「音楽は、緊張と弛緩の連続である」
よく言われることです。
今日は、ふと、とても強烈に、
この「当たり前」と言われ、思われている真実が
啓けた気がしたのです。
そうした視点に立ってみると、
あらゆる音楽は、実に「不協和音だらけ」だと気づかされるのです・・・
不協和音というストレス、
そのストレス度合いは、個々様々。
少なめのストレスのものもあれば、
強烈なものもある。
しかし、 . . . 本文を読む
『パブロ・カザルス 鳥の歌』
ジュリアン・ロイド・ウェッバー編より抜粋
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あるとき、
ことのほか感動的な演奏のあとで、
ベルギーのエリザベト女王が尋ねた。
「カザルスさん、
私たちはいま天国にいるのでしょうか、
それともまだこの世にいるのでしょうか」
カザルスはおだやかに答えた。
「この世です・・・・・・しかしいまこの . . . 本文を読む
「整然としたハーモニーの流れ」
が、
巨匠の作曲家・音楽家の「しるし」
なのではないかしら・・・
と、
ラジオから流れる
ハイドン作曲の《弦楽四重奏》を聴きながら思いました。
ハイドン然り、
大バッハ(J.S.)然り、
モーツァルト然り、
ベートーウ゛ェン然り、
シューベルト然り、
・・・
クラシックの有名なビッグネームが軒を連ねます。
もちろん、
よくよく調べたら、 . . . 本文を読む
C.Ph.E.バッハ『正しいクラヴィア奏法』より
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私は曲を記譜するにあたって、必要なことはすべて記入した。
しかもそのうえ、どんなに些細なことでま書き漏らさないようにと、
私自身何度となく、
最大の注意を払って全体を通して弾いてみたので、
読者がそのすべてに注意を払うならば、
それによって手の器用さばかりか趣味もまた、
他のもっと難しい . . . 本文を読む
これは、
「音楽の上達」に関わらず、物事全般かもしれません。
それは、
「その都度、出来る限りをがんばる」ということ。
「がんばらない」のは、
人間として「不遜である」「謙虚ではない」と言われてしまうでしょう。
しかし、その時がんばってみて、
時が経ってみると、あれほどがんばった自分の過去の仕事が、
「未熟」だったことに気付き、がっくり・・・することもあります。(さっきありました・・・ . . . 本文を読む
クラシック音楽道場◆
~ 音楽家・ピアニスト 瀬川玄 主催 ~
●この道場は、クラシック音楽の
「面白さ」「奥深さ」を探求することを目的とする勉強会のようなものです。
●西洋クラシック音楽は、深く遣り甲斐ある事柄として「道」と呼んで然るべき
芸術ジャンルのひとつであり、この「道」について語り合い、音楽に対する
理解や感性を高め・深めようとしたい人々が集まる「場」となることを願い、
. . . 本文を読む
やっぱり、
クラシック音楽においては
「コントラプンクト(対位法)」というキーワードが
大きなものを言うような気がしました。
コントラプンクト(対位法)とは、
ざっくりと言ってみると、
「同時進行で複数の旋律が動く」という音楽の手法。
ゆえに、
「複数」ということは、
同時に複数の音を鳴らすことのできる我々鍵盤楽器奏者においては、
バッハ《平均律クラヴィア曲集》の「フーガ」や、
その前段階 . . . 本文を読む
柴田南雄 著『わが音楽 わが人生』より
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さて、
ローゼンストックへの回想が思いのほか長くなったが、
最後に要約しておきたいことがある(中略)
彼が両大戦間に典型的な新古典主義の演奏様式を、
鮮明に、絵解きのように目前に演じて見せてくれたこと。
わたしにとっては、
彼のたびたびの練習風景を実見したことが、
演奏批評やレコード評などにどんなに役立っ . . . 本文を読む
ベートーヴェン作曲
《ピアノソナタ第29番 変ロ長調 op.106“ハンマークラヴィア”》
クラシック音楽における「ピアノソナタ」のジャンルにおいて
最も大きく、最も難解な音楽のひとつです。
今日、また一人、
生演奏のコンサートにおいて(←コンサートが生演奏なのは当たり前!?されど、
「当たり前」であるこそ、生演奏の存在意義は常に大きいのだと信じております)
東京文化会館(小)におけ . . . 本文を読む