ベートーヴェンの《交響曲第5番 op.67》は
「運命」という通称の普及の名作、
あの「♪じゃじゃじゃじゃ~~~ん!!!」の冒頭は
西洋クラシック音楽のジャンルにおいて
抜群の知名度を誇っていることに、疑いはありません。
あの冒頭の4つの音は、
「運命が戸を叩く音」というモティーフ(動機)として、
この《交響曲“運命”》を先陣に、様々な楽曲に
顔をのぞかせる音楽の素材となります。
ちなみに、 . . . 本文を読む
前々回の記事にて、
ベートーヴェン最後のピアノソナタ《op.111》の
II楽章における「semplice」の解釈を試みました。
「semplice」という言葉に籠められている
高い境地を垣間見ることができるような・・・
ところで先ほど、
ベートーヴェンの他の作品にて、思いもかけず
「semplice」を見つけることができました。
それは、
中期のピアノソナタの代表格でもあるひとつ、
《ソナ . . . 本文を読む
ベートーヴェン最後のピアノソナタ
《ピアノソナタ32番op.111》のII楽章について
前回書きましたが、そこでも少々触れました
テンポのことで、今回は引き続き書いてみたいと思います。
《ピアノソナタ32番op.111》II楽章、
冒頭の書かれているベートーヴェンの手による指示は、
「Adagio molto semplice e cantabile」
とあります。
問題となりますのは、こ . . . 本文を読む
ベートーヴェンの最後のピアノソナタ
《32番op.111》は、「天上の音楽」と表現されることも
あるようで、今の自分にはこの音楽は人間の最期の姿を
彷彿させるようにも思われるのです。
II楽章は“Arietta”という表題が
ベートーヴェン自身によって付けられています。思えば、
奇妙な名前です・・・
“Aria”ではなく“Arietta”
テンポ指示はベートーヴェン自身の手により、
「 . . . 本文を読む