音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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ベートーヴェン《ピアノソナタ“悲愴”》にみる「生と死」

2006年08月20日 | 《8番op.13“悲愴”》
ベートーヴェン《ソナタ8番“悲愴”》III楽章、 今まで無意識に使用していたPedalを意識的に少なくする練習で、 余計な残響とペダルの使用によるメロディーの和音化を阻止した結果 見えてきたのは、明瞭化された「声部達の動く様」でした。 左手の伴奏はうねる波のようでもあり、 右手の単旋律はひとつの「うた」のようです。しかし、 ふと現れる「別の声」(第28小節)が、この音楽に現れる登場人物が 一 . . . 本文を読む
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《悲愴》I楽章冒頭、ペダルの使い方

2006年08月16日 | 《8番op.13“悲愴”》
先日の日記でも触れましたが、 ベートーヴェンの音楽におけるペダルの使い方が、 物理的な音響としての効果と、音楽の内的なものの両者に非常に密接して いると、最近ではさらに一層強く感じるようになっています。 (「ペダルの問題」は、ベートーヴェンのピアノソナタに限らず、 ありとあらゆるピアノ曲に関わる大問題と言えましょうか) ペダルに関する最近の新たな発見を思い返してみますと、 師匠からのレッスンを思 . . . 本文を読む
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(追加)《悲愴》I楽章冒頭「fp」 ― シントラーの証言

2006年08月15日 | 《8番op.13“悲愴”》
困ったことになりました・・・・先日の日記の内容を、 撤回させなければならない事態となってしまうかもしれません・・・。 こちらの画像は、師匠K.Schilde先生の直筆、 日本中のSchilde門下なら(!?)皆心当たりのある 「シルデ・ノート」を写したものです。 (許可無くこんなことをして、許されるのだろうか・・・ まぁしかし、きっと師匠も自分のレッスン内容が、 音楽を愛する多くの方々の目に . . . 本文を読む
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(つづき)《悲愴》I楽章冒頭「fp」

2006年08月14日 | 《8番op.13“悲愴”》
「Grave」という重々しいテンポに乗ったこの冒頭の悲劇の始まりを 告げるような和音は、実音符以上に長く伸ばして演奏されるべきもの、 と師匠K.Schilde先生はおっしゃっていました。 印象の深いこの冒頭の和音を効果的に奏でるためには、音量・音質と共に ある程度の時間を必要とするということなのでしょう。 とはいえ、気をつけなければならないのは、奏者の勝手で 倍も長い時間を取ってしまうと、全く . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《悲愴》I楽章冒頭「fp」

2006年08月14日 | 《8番op.13“悲愴”》
I楽章のc-moll(ハ短調)の冒頭の和音は、曰く付きといえましょうか。 どんな曰くかというと、 作曲者による冒頭の「fp」の指示が、弾くものをなんとも戸惑わせます。 なぜなら、 ピアノという楽器は構造上、一度音を鳴らしてしまうと その後の鍵盤上での音量のコントロールは、基本的には不可能となります。 よって、この冒頭の和音を「f」で力強く鳴らした後に 「p」に落とすことは、物理的には基本的に . . . 本文を読む
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ベートーヴェン《ソナタ8番op.13“悲愴”》

2006年08月13日 | 《8番op.13“悲愴”》
超有名曲!?ベートーヴェンのピアノソナタの中でも 抜群の人気を誇るらしい 《ピアノソナタ8番op.13 c-moll(ハ短調)“Pathétique(悲愴)”は、 次回のピアノソナタ全曲演奏会(最終回)の冒頭を飾る予定の 曲となっております。 この曲の音楽的内容を、 ベートーヴェンという大作曲家の一連の作品群として見たとき、 この《悲愴ソナタ》はまだ若かりしベートーヴェンにおける、 . . . 本文を読む
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