ベートーヴェン《ソナタ8番“悲愴”》III楽章、
今まで無意識に使用していたPedalを意識的に少なくする練習で、
余計な残響とペダルの使用によるメロディーの和音化を阻止した結果
見えてきたのは、明瞭化された「声部達の動く様」でした。
左手の伴奏はうねる波のようでもあり、
右手の単旋律はひとつの「うた」のようです。しかし、
ふと現れる「別の声」(第28小節)が、この音楽に現れる登場人物が
一 . . . 本文を読む
先日の日記でも触れましたが、
ベートーヴェンの音楽におけるペダルの使い方が、
物理的な音響としての効果と、音楽の内的なものの両者に非常に密接して
いると、最近ではさらに一層強く感じるようになっています。
(「ペダルの問題」は、ベートーヴェンのピアノソナタに限らず、
ありとあらゆるピアノ曲に関わる大問題と言えましょうか)
ペダルに関する最近の新たな発見を思い返してみますと、
師匠からのレッスンを思 . . . 本文を読む
困ったことになりました・・・・先日の日記の内容を、
撤回させなければならない事態となってしまうかもしれません・・・。
こちらの画像は、師匠K.Schilde先生の直筆、
日本中のSchilde門下なら(!?)皆心当たりのある
「シルデ・ノート」を写したものです。
(許可無くこんなことをして、許されるのだろうか・・・
まぁしかし、きっと師匠も自分のレッスン内容が、
音楽を愛する多くの方々の目に . . . 本文を読む
「Grave」という重々しいテンポに乗ったこの冒頭の悲劇の始まりを
告げるような和音は、実音符以上に長く伸ばして演奏されるべきもの、
と師匠K.Schilde先生はおっしゃっていました。
印象の深いこの冒頭の和音を効果的に奏でるためには、音量・音質と共に
ある程度の時間を必要とするということなのでしょう。
とはいえ、気をつけなければならないのは、奏者の勝手で
倍も長い時間を取ってしまうと、全く . . . 本文を読む
I楽章のc-moll(ハ短調)の冒頭の和音は、曰く付きといえましょうか。
どんな曰くかというと、
作曲者による冒頭の「fp」の指示が、弾くものをなんとも戸惑わせます。
なぜなら、
ピアノという楽器は構造上、一度音を鳴らしてしまうと
その後の鍵盤上での音量のコントロールは、基本的には不可能となります。
よって、この冒頭の和音を「f」で力強く鳴らした後に
「p」に落とすことは、物理的には基本的に . . . 本文を読む
超有名曲!?ベートーヴェンのピアノソナタの中でも
抜群の人気を誇るらしい
《ピアノソナタ8番op.13 c-moll(ハ短調)“Pathétique(悲愴)”は、
次回のピアノソナタ全曲演奏会(最終回)の冒頭を飾る予定の
曲となっております。
この曲の音楽的内容を、
ベートーヴェンという大作曲家の一連の作品群として見たとき、
この《悲愴ソナタ》はまだ若かりしベートーヴェンにおける、 . . . 本文を読む