ついに残すところ・・・あとひとつのコンサート・・・。
なんとも、不思議な気分です。
昨日のコンサート、ベートーヴェン・ピアノソナタ
連続演奏会の第8回をお陰様で無事終了することができました。
プログラムもよかったかな。ファンタジー溢れる楽曲が並び、
どのソナタも個性的であり、かつコンサートの準備を進めるに連れて
各ソナタに関連性があるようにも見えてきて、
それらを心がけ、演奏するよ . . . 本文を読む
ベートーヴェン全曲演奏会の第8回となります、今日のリサイタル。
場所は、音楽大学の建物ではなく、
ルドルフ・シュタイナー・ハウスという教育機関の所有する
小ホールを使わせていただけることとなり、そこにある楽器は、
「Bruettner」というピアノ。
半世紀は越えているであろう、古いピアノで、現代主流の
スタインウェーの完全無欠(!?)といった音ではなく、
味のある、
個性的 . . . 本文を読む
余計な前置きかもしれませんが、
楽曲の解釈において、個人的なわがまま勝手な想像の世界に
落ち込まないよう、ベートーヴェンという大天才が書き残した
高い音楽性を誇る楽譜ととことんにらめっこしながら、
そこから湧き出る世界観を突き詰めてみようという姿勢
ではあるのですが、なにぶん、「私」という個人の域を
究極的には出ることができないというのが、
人間のサダメなのでしょうか。
「私見」と . . . 本文を読む
ベートーヴェン《ピアノソナタ12番“葬送”》の終楽章において、
男女二人が大逃走をくりひろげることを、前回までの日記に書きました。
「男女」がキーポイントになっているということを、今まで日記で書いてきたのですが、その証拠を冒頭の1楽章にも見つけることができそうです。
1楽章は、Variation(変奏曲)の形をとっている楽曲でして、
冒頭ではテーマとなる楽想が奏でられます。
As . . . 本文を読む
先日の日記で、ベートーヴェン《ピアノソナタ12番op.26“葬送”》の
終楽章(第4楽章)が、ころころと走り回るような二人の人間を
描いているようだと書きました。
そのアイディアは、深く自分の中に定着しつつあると思って、
今日も書き進めてみようかと、試みます。
この4楽章、
二人の人間が走り回ったり、おしゃべりをしているとして、
じゃあ、この二人とは誰と誰なのでしょう??
ピ . . . 本文を読む
ベートーヴェン《ピアノソナタ12番op.26》の第3楽章が「葬送行進曲」であり、それが「作曲者本人の死」であるかのように思われることを、
前回の日記で書きました。
(ちなみに、
葬送のリズム(「付点8部音符+16分音符」のリズム)は、
頭の片隅に置いておくと、実に多くの西洋クラシックの音楽を
楽しんだり理解するのに、大いに役立つワンポイントと思います。
●ピアノの詩人ショパンの《葬 . . . 本文を読む
「MARCIA FUNEBRE sulla morte d’un Eroe」
(葬送行進曲 ある英雄の死を偲んで)
と、
このベートーヴェン《ピアノソナタ12番 op.26》の
3楽章(緩叙楽章)冒頭に書き記されています。
・・・ある英雄とは一体だれの事をさすのでしょう?
ベートーヴェンで英雄といえば・・・
《交響曲3番“英雄”》が献呈される予定で、しかし皇帝即位でベートーヴェン . . . 本文を読む
西洋クラシック音楽の大作曲家達が、
楽譜に自らの高い音楽を書き写そうと苦渋の努力を払ったであろう
その譜面から、我々演奏者(解釈者)は、そんな彼らの高い音楽世界を
理解し、共感し、協調し、ついには我が物と一心となるよう、
こちらも苦渋の努力を払うのです・・・。
こうした努力の過程において、
世阿弥の言う「音曲はたらき一心」を思い返してみますと、
作曲家の書いた様々な音符や表示を、 . . . 本文を読む
先日のコンサートの反省から、
舞台上での「緊張」について色々と書くことが多かったのですが、
ふと久しぶりに、日本古来から伝わる伝統文化「能」の大御所、
「世阿弥」の著した『風姿花伝(花伝書)』を紐解き、
ふと目に付いたところがありました。
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この文字にあたることを稽古し極めぬれば、
音曲・はたらき、一心になるべし。
所詮、音曲・はたらき一心と申 . . . 本文を読む
久しぶりに、すごい音楽家を間近に体験することが出来ました。
サシコ・ガブリロフ
齢70を超えるヴァイオリンの老匠とでもいいましょうか。
すごい音楽家です。きっと、誰が見てもすごいと認めざるを得ない、
そんな境地に達している人。
もう何年前になるか、
日本の草津夏季音楽祭アカデミーにて、彼の演奏を聴く機会があり、
「すごい人だな~!!」と思っていました。
今回、久し . . . 本文を読む
あの日のコンサートは、先日の日記に書いたとおり、
一曲目のベートーヴェン《ソナタ2番》がいきなりの
25分を要する長い曲であったため、自分のペースを掴める前に、
突如として予想もしなかった緊張が襲い掛かり(これは
リハーサル不足の反省につながるものです)、
あれよあれよとお粗末な間違いをしてしまった・・・・。
やはり、予想しない緊張感に襲われ、体の均衡を失っていたんだな~、と、
今 . . . 本文を読む
人間の姿勢というものは、面白いものだなとつくづく感じました。
「姿勢」とは、自分の体の状態のことを言いますよね?
この「自分の体」というもの・・・・
なかなかの曲者なんですね。
自分のものでありながら、時に、全く自分の思うようにいかないことが
多々ある・・・
時に、意識的に自分の体をコントロールできていることもあれば、
全くの無意識で体が動いていることがある・・・
「意識」「 . . . 本文を読む