今宵は少々酔っている。
酔ったはずみか、口をついて出たのが、
「音楽は全人類のためになる」
という言葉。
・・・全人類・・・
こんな言葉は始めて使った。
西洋クラシック音楽というひとつのジャンル。
あくまでも数ある世の中の物事のひとつでしかないが、
それでも、れっきとしたひとつ。
自分個人の利害損得という概念を越えて(もちろん
一人の個人・ひとつの家族としての
健全な生活を営む . . . 本文を読む
前回の記事に書きました、
《ポロネーズ ハ短調 op.40-2》は
曲の冒頭の不気味な静けさとは裏腹に、
予想外を裏切る終わりを告げます。
・・・柔らかな雰囲気の中間部では、
ショパンの祖国ポーランドを思い起こさせる
《マズルカ》のようにも聞こえるリズムが時折、
遠くから鳴り渡ってくるかのようです。
しかし、最後に待っているのは・・
不穏な空気に伴われて音量を増し(cresc.)、 . . . 本文を読む
●フレデリック・ショパン作曲《ポロネーズ ハ短調 op.40-2》
数あるショパンのピアノ作品の中でも、なんともいえぬ
異色な雰囲気、不気味な音楽のこの曲。
前回の記事、リサイタルのプログラム・ノートにご紹介いたしました
ショパン自身の手による文章「シュトゥットガルトの手記」は
私自身、
初めて読んだときにはショッキングなものでした・・・
いや、今読み返しても心に重 . . . 本文を読む
3月3日のリサイタルのプログラム・ノート(曲目解説)を
ここにご紹介したいと思います。
演奏会の当日、会場で初めてプログラム・ノートを手にし、
それを熟読する時間はなかなか無いものです・・・よって、
今回はひとつ試しに、このBlog上にてあらかじめ
プログラム・ノートを公開し、興味おありの方には
ご自由にこちらで読んでいただいてから、
コンサートへ足を運んでいただけたら、
もしかするとより一層、 . . . 本文を読む
「おそれ」
ひらがなで書くと、この言葉から
ごく普通に日本人の想起する印象は、おそらく
「恐ろしい」「恐怖」「恐い・怖い」
となりましょうか。
その点、
おなじ「おそれ」という音でも、
「畏れ」
という物は、平常の一般生活においては
なかなか実感することの無い感覚ではないでしょうか。(いや、
日常にあってはきっとおかしい、あまりに
身近過ぎては「畏れ」という感覚は
生まれてこな . . . 本文を読む
先に書きました特殊技能「デュアルタスク」について
さらに思い当たることがあります。
「ひとつの物事を行いながら、他方で別のことをする能力」
これを「デュアルタスク」といい、クラシック音楽においては
「対位法(コントラプンクト)」という名づけられる技法があり、
これと一致するのではないかと考えまして、
言ってみれば、これって
「ながら族」の技法?
と言えるではないでしょうか。
なになに . . . 本文を読む
昨夜、テレビで面白い番組が放送されていました。
腹話術師 いっこく堂
複数の人形を同時に扱い、
口を動かさずに声色を使い分ける腹話術、
(一般的には不可能と言われる
「まみむめも、ばびぶべぼ、ぱぴぷぺぽ」をも
唇を動かさずに言うことができるいっこく堂氏の桁違いの
腹話術の技術は、七年という年月をかけて習得されたものらしい)
しかも、
それらの技術を何の苦も無く扱うように見せながら、
面 . . . 本文を読む